第12話 最悪
最悪だ。
またあの地獄のような死のループを味わうのか。
現在起こっているのは4層のモンスター配備センターという魔物のたまり場からモンスターが大脱走して起きたことによる魔物の大暴走、通称スタンピード。
それにより4層がモンスターで埋め尽くされている。
10歩歩けば戦闘が始まり戦闘開始後1分も経てば他のモンスターの一行が乱入してくる地獄だ。死に戻りでスタンピード発生前に戻ることもできない。
侍が仕留めたファイアジャイアントの死体にワイヤー化させた盗賊の短剣を射出し突き刺す。
それを戦士、侍、僧侶のゴリラ軍団に振り回させて敵集団に投げ込ませる。特大のハンマーの様になった炎の巨人は見事にレッサーデーモン複数体を押しつぶし殺害した。
油断しているところに飛びかかってきたゴーゴンの攻撃を回避し前衛達の後ろに引っ込む。
そうしている内に良い攻撃を僧侶が食らってしまった。
ああ、クソ!
俺は短剣で自身の喉を突き刺し自殺する。その結果僧侶が攻撃を食らう直前に巻き戻る。
前のループで僧侶にいい攻撃を叩き込んだ相手を睡眠魔法の込められたスクロールで眠らせる。
その瞬間眠った相手を僧侶が叩き伏せものいわぬ肉塊に変えた
ホッとしたのも束の間、レッサーデーモンが氷結魔術の詠唱を始めているのが見えた。
即座に侍に放り投げてもらいワイヤーの様に射出した盗賊の短剣を縮めて接近しつつ良い感じのところで短槍に変化。領域を併用して喉の脆いところをくり抜き物理的に黙らせる。
ああまた味方が良い攻撃を受けちまった。自殺!巻き戻し!カバー!
こんな面倒な作業を行ってでも各戦闘を体力魔力の消費なく終わらせないとどうしょうもない。
とにかくとにかく敵の数は多い。
ワイヤーをワイバーンに射出、突き刺さったところで戦士に思いっきり引かせ亜竜を地面に叩き落とす。
トドメを刺そうとする俺に迫るナイトストーカーを司祭が眠らせ魔術士と侍の合体凍結魔法が即座に氷塊に変える。
とにかく敵の数が多すぎて紙一重の戦いになっている。お互いがお互いをフォローする高度な連携が取れるようになってもなお地獄。
ワイバーン撃破後即座にキメラとレッサーデーモンの集団が出現。
キメラの火炎袋を領域で探知。
その後火炎袋周辺をパイルバンカー化させた盗賊の短剣でぶち抜き火炎袋を露出させる。
露出後即座に戦士と侍が蹴りで吹き飛ばし司祭の火炎魔法が火炎袋に命中。誘爆し爆弾の様になったキメラが爆ぜる。キメラの爆発に巻き込まれたレッサーデーモンも爆ぜる。やっと倒したと思ったら新たに現れたキメラとゴルゴンが合体毒炎ブレスを吐こうとする。司祭、侍、魔術師が全員睡眠魔法を撃ち込んで眠らせたが
横から突っ込んできたワイバーンを盾状に変化させた盗賊の短剣で受け止める。即座に魔術師の窒息魔法が飛びワイバーンを絶命させたがワイバーンの第二陣が突っ込んでくる
窒息の指輪の力を開放し即座に対応したのは良いが更にその後ろからナイトストーカーが飛び出してくる。
こんな感じの戦いを俺達は一時間近く続けていた。俺は死に戻りがあるから体感1ヶ月程度。しかもこれで詰められた階段までの旅程は一割程度。敵が多すぎてまともに移動すらできないのだ。
極限まで体力と魔術を温存するために俺の自殺回数は10000に届こうとしている。
パーティの連中の疲労もやばいが俺の精神もやべえ。
ああ、仕方ない。
発狂するよりマシか。
俺は盗賊の短剣の効果を発揮する事を決意した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます