カクヨムコン用 VRMMOゲームと現代ダンジョンで頑張って異世界へ

カンワ２ 魔素洞調律《シンクロニシティ》と魔人《トランツァー》

ハンターには魔素洞調律（シンクロニシティ）というものが存在する。

ハンターだけではなく魔の霧を生き延びた人間すべての話だ。

魔素に順応しコントロールできた姿が魔法使いとされそれとは別にどの生物にも魔素が少なからず残留しておりそれを喰らい現実世界に進出しようと人を襲うのがモンスターだ。

モンスターにももちろん魔素がありそれが主成分である。魔素は地球の大気には適応せずモンスターは魔素で構成されている為に長時間現実世界に肉体維持ができない。だが魔素はとても強力なエネルギーであることも証明されており龍脈という環境下ならば自然分解せず維持でき別エネルギーに変換したり魔素そのものを龍脈同士でつなげ新たなエネルギー資源にしている。

これが魔の霧が地上から消えた理由でありしかしなぜ魔素で構成されているダンジョンが残留しているかというのは魔素が現実世界でも維持できる状態である『結晶化』によるものだ。

いわば魔素の自己防衛であり殻ともいえる状態、その特性を利用してモンスターにダメージを与えられるのが武器と防具だ。

これらも魔素の結晶化を応用したものであり毒をもってならぬ魔素をもって魔素を討つという原理でモンスターと対等に人間が渡り合える理由。

レベルスキルステータスも奴らの対抗手段として女神が用意したのだがそれだけではまだ足りず人類が発見した技術、魔素のコーティングによる武器制作とされる。

結晶化以外にも魔素を持ち肉体を維持する方法ある。それが人間と魔物のハイブリット形態であるトランスとパンツァーを合わせた造語『魔人（トランツァー）』とよばれる姿である。

『魔素洞調律（シンクロニシティ）』は魔素と人間の融合率の上昇により人がモンスターに近づき強くなる技術を意味し魔素にアクセスしている為武器や防具も強化され使いやすくなるというものだ。

簡単に言えば人間がモンスターもどきになる技術でそんなものなりたい奴はいない。だが魔人にならずとも魔素同調を高めれば人の身で強く成れるという業はハンターとしては垂涎ものだ。

しかし魔素同調にはそれぞれ個体差があり強化する幅は人によって違い人間は魔人になどなれないというのが結論とされた。

『ありえない確率（シンクロニシティ）』と『同調（シンクロ）』を掛けた皮肉が魔素洞調律（シンクロニシティ）と呼ばれ。

これは特別な機械によってではなくスキルとも別なハンターの素養で成否が決まる。魔素を感じシンクロできる感覚や戦闘によって魔素同調が上がるとされナンバーワンハンターも魔素同調が一番高いゆえに最強なのだ。

魔素適正を測る診断があるがそれは当てにできない。魔素洞調律は戦闘にのみ発揮されるので通常時では測りようがないからだ。

つまり何が言いたいかというと。ハンターになったのは単純に俺の魔素洞調律を上げて異世界に適応するための手段という事だ。魔法使いは魔人になれない、だが異世界で順応できる可能性は高いとされる。

そんな日記を俺はネットでしたためる。魔素洞調律を上げるために俺はハンターになりレベルを上げて異世界に適応して魔王を倒す。その目的を忘れない為に