第23話 UVレジン液って何?

「このUVユーブイレジン液っていう樹脂じゅし紫外線しがいせんに当てて固めることで作品を作るんだ」


 藤咲さんが取り出したのは黒い容器に入ったチューブのようなものだった。ソースとかが入ってそうな入れ物に入ってる。


「へー。樹脂かー……。液体ってことは型に入れて形を整えるのかな?」


 僕の問いに藤咲さんがかわいらしく手で丸印を作ってくれる。


「その通り。今回は球状の型を使っていくよ」

「紫外線で固めるって言ってたけど……どうやって?まさか外に出て固めるとかないよね?」


 白金君が首をかしげた。

 その問いかけに藤咲さんがよくぞ聞いてくれました、と言うように笑顔を浮かべる。


「じゃんっ!このUVライトを使って固めるよ!」


 藤咲さんが作業台から引っ張り出してきたのは小型のライトだった。四つ足がついていて電源のスイッチが入っている。


「そんなライトあるんだ!」


 僕が感動した声を上げると藤咲さんが急に声を潜める。


「このライトを使う時は要注意ね。外の太陽光と同じで光を直接目で見ちゃ駄目だよ。見たら大変なことになるから……」


 僕と白金君は緊張した表情で藤咲さんの言葉に頷いた。


「レジン液の取り扱いも注意が必要だよ!

一応ビニール手袋をしながら作業するから大丈夫だと思うけど……アレルギー症状が出ることもあるからなるべく肌に付けないように。それと、作業中は換気しながら行うこと!樹脂を固める時ほんの少しだけどガスが出てるんだって」

「そうなの?」


 白金君が不安そうな顔になると、藤咲さんが優しく微笑む。


「普段使わないものを使うから注意することが多いけど……ちゃんと使えば怖くないから大丈夫!何か気になることがあったり、不安なことがあったらすぐ私に聞いてね。それじゃあ窓を開けたら、さっそくやってみよう!」


 普段使うことのない樹脂を使うんだ。きちんと扱い方を理解すれば怖くないはず!

 それよりも僕はレジンがどんなものか知りたくてワクワクする!

 僕らは部屋の窓を開け、ビニール手袋を装着した。なんだか本格的でドキドキする。

 ビニール手袋を手渡された白金君が戸惑いの表情を見せた。


「え……。俺も作るの?不器用だからできれば水上君か藤咲さんに作ってもらいたいんだけど……」


 なんとなくだけど、僕は藤咲さんがハンドメイドを体験してもらいたいと思ってるんじゃないかと考えた。だから藤咲さんをフォローするように僕は白金君を説得する。なんなら一緒にハンドメイドにハマってくれたら嬉しいと思って。


「おばあちゃんも白金君の手作りだったらさ、もっと喜ぶんじゃない?それにみんなで作るのも楽しいよ!」


 僕の熱い言葉に便乗びんじょうするように藤咲さんが続ける。


「私達がフォローするから白金君も作ってみようよ。実は今回のアクセサリー作り、白金君の力が必要なところがあるの。だから……ね?」


 僕と藤咲さんの熱意に負けた白金君はふーっと息を吐いた。


「自信ないけどなー。そんなに言うなら分かった。やってみる!」


 迷いながらも藤咲さんからビニール手袋を受け取ってくれた。

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