3年目第二節 激しくなる襲撃と仲間のタヒ

第二節、夏に入る。

ここは常夏ではあるものの年間を通じて若干の温度変化がある。

岡山の兄ちゃん方が建設中の集合住宅をいくらか破壊していった為修復作業に入りたい...ところだがブロックの製造が追いついていないみたいだ。

空き時間にブロックの切り出しをやっているがそれでも追いつかない。

需要と供給が釣り合っていない状態だ。

SanfordがProseriaのあだ名(ブロック製造機)は何とかならないのかとか言ってきたが彼女が嫌がってはいないので変える必要はなさそうだ。


Eudokiaが参加して彼女は接客係として働いている。

最初のお客さんはエンテレケイアのお客さんだ。

彼女は不思議な気持ちだ...とぼやいていた...


Zoeちゃんからフルアーマーでのおもてなしは堅苦しいし印象が悪いと指摘をしていたがエンテレケイア内では親密な仲以外では仮面を外して素顔を見せたことがない。

素顔を知られたくないと言って拒否していた。


ここのコロニーでおもてなしをしている時に仮面を外している姿を目撃したが彼女は美しい顔つきをしているが...

自分の姿に自信がないのだろうか...?

記:5502年第二節1日


砂地の整地が終わって土になった部分の再開発が進む。

土に変えた土地農地として利用されるみたいだがこれがまた膨大な面積だ。

数人がかりでも耕すのに少なくとも1日以上かかるだろう。

時折Eudokiaが接客に戸惑っている様子が見られる。

今日は特に襲撃も事件も起きなかった。

こういう日は逆に不審だ。


午後...何やらEudokiaさんが大騒ぎしている。

死にそうだ出産しただ看護婦はいないかとか...

いままでとは違う切迫したような雰囲気だ。

何かあったんだろうか...?

記:5502年第二節2日


朝から気分がむしゃくしゃする。

ただこの前Zoeちゃんに怒られたので備蓄物には手を出したくなかった。

たまたま目に止まった精油施設。

中には下水汚泥がが大量に入っている。

正しい操作をすると燃料が抽出できるが誤った操作をすると糞尿を垂れ流したり爆発したりするみたいだ。

素人は操作禁止と書かれている。

ちょっといじってみようかな...

精油施設のバルブが動かないのでガシガシ操作したりバルブを叩いたりした。

音を聞きつけたのかDaughertyがすぐに手を引っ張ってムショ部屋に放り込んだ。


ムショ部屋には見慣れない捕虜がいた。

クオリーラジーナスだ。

名前を聞くとAdeodataという名前でEudokiaの護衛を任されていたみたいだ。

どうやら先日の勧誘の時に捕らえられて現在勧誘中みたいだ。

自分は勧誘活動のメンバーに入っていないので捕虜がいるのかいないのかも情報が回ってこない。


ムショ部屋はある意味拷問だ。

シャワーはあるものの裸を他の捕虜に見られる。

しかも相手は関係の持っていない異性だ。

Adeodataにこっち見るなと言うと彼女は素直にベッドに顔を潜らせる...

逆に彼女がシャワーを浴びる時は見ないように心がけているが彼女は前触れもなしにいきなり脱ぎだしたりするから防ぎようがない。ふぅ...

いつになったら開放されるのやら...

記:5502年第二節3日


(4日の日記は記入されていない)


日が明けた頃だろうか...

なにやら外が妙に騒がしい。

Fishがヒステリックを起こしているみたいだ。

私の子供が死んだのはNenvolkのせいだ!ぶっ殺してやる!!

いったい何がなんだか状況が理解できなかったがふと一昨日の事を思い出すと話が繋がった。

どうやらEudokiaが大騒ぎしていたのはFishが前触れもなく出産していてその赤子が死にそうだと大騒ぎしていたみたいだ。

妊娠している...通りで彼女のお腹が大きいわけだ。

死産してしまったみたいで彼女は発狂してしまったみたいだ。

まぁ薬物中毒で妊娠期間中に薬物過剰摂取を2回もやっていれば死産しても当然だと思うが...

当然Fishはムショ部屋に放り込まれる。

Fishは"岡山のカシラと致し方ない事やって子供...作っちゃっただけなのに...どうしてなの!?"

まだ理解が進んでいない状態だった。

死産だよなんて直球に伝えても今の彼女の精神状態じゃ理解できないだろう。


島田ハウジングでの一番の問題か彼女だと思う...

はっきり言って3おじよりも厄介だ。


自分の裸を他人に見られる以外はムショ部屋も悪くない。

相ベッドなので彼女が寝ている隙にAdeodataの体を触り放題だし面倒な作業もしないで済む。しかも徴兵も対象外。

こんな生活でも良いのかなと思い始める。

ついにAdeodataにその事がバレた。

彼女にかなり怒られた。


むしゃくしゃする。

こんなベッドが悪いと思ったのでベッドを破壊することにした。

木製だからすぐ壊れるだろう。

殴るうちにベッドのパーツが外れていく。

Fishは緊張性ショックで気絶する。

Leach姉貴が怒りながらベッドが壊れないように緊急補修をする。

ベッドが壊れないなら椅子を壊すことにした。

椅子はかなり頑丈に作られていたので諦めた。

その後、EudokiaやZoeちゃん、Leach姉貴、島田からムショ部屋を壊した事で怒られた。

そしてAdeodataにセクハラしていたこともバレてムショ部屋から追放された。

記:5502年第二節5日


久々の仕事だ。

ムショ部屋から追放されて不信感が強まったのか他の入植者達は話しかけてこなくなった。ある意味作業に集中できていいかもしれない。

Zoeちゃんとかレイスワンズ組やクーリン達がいないがどこに行ったのだろうか...


夜、オヤジ3人組がこわれた。

どうやらスパイスティーの在庫が底をついたようだ。

しばらくは人員不足になるだろう。

記:5502年第二節6日


朝食中、背中をポンッと叩かれた。

Adeodataがこちらに入植した。

"これからよろしくな、変態野郎"


朝からムカつくなぁ...

ムショ部屋から追放されてからどうも体のあちこちが痛むのでしばらく療養することにした。

記:5502年第二節7日


(8日の日記は記入されていない)


どうも眠れないしむしゃくしゃする。

深夜だし誰も見ていないだろう。

基板1つくらいバラバラにしてもバレないだろう。

しかし現実は甘かった。

深夜の見回りクーリンに見つかってしまった。

はぁ...なんかストレス発散できるものを与えてくれ。インターネットとかね...

もう何年触れていないのだろうか...

動画投稿もしていないし視聴者達は安否を心配しているだろう。

クーリンに厳重注意されてから何もかもやる気をなくした。

めんどくせぇなこのコロニー

記:5502年第二節9日


朝から暑い。気温は40度にもなる。

外に出たくない。暑すぎる。

外に出なくてもいいようなコロニーの構造にしてもらいたいものだ。

それだけ冷房の効いた部屋は快適なものだということか...

作業部屋に行くとEudokiaさんがいた。

なんでここのコロニーはシェフェットレールガンの設計とかアダマへレヴの設計を持ってるんだ...?と聞かれた。

課長が前のコロニーでシェフェットレールガンの設計とアダマへレヴの設計を盗んできた事を話すと彼女は納得した。


元気そうに見える彼女だが数日前に発狂したと聞いたが...心情は大丈夫なのだろうか...?

彼女はあっけらかんなZoeちゃんとは違ってかなりのお人好しみたいで繊細だ。

変な考え事が多くなると発狂する可能性があるということだ...


コロニーにはまだ馴染めていなさそうだしエンテレケイアの客に対してのおもてなしもあまりうまくできていないみたいだしちょっと心配だ。

記:5502年第二節10日


朝、エンテレケイアのお客さんと少し話した。

自分らがEudokiaを強制連行してしまった事は水に流されたらしくもう別の新しい聖王様が到着したみたいだ。

噂によるとまだかなりの未熟な王族種の末裔みたいでまだメタトロニオスの肩書を取得しないまま暫定的に配置されたみたいだ。

今回の事件が起きた影響で本当の補欠が左遷されたようで非常に気まずい気分になった...

Mariaと通信機で新しい聖王様と連絡をとるが名前は言ってくれなかった。

新しい聖王様は旧聖王のEudokiaの事を知らなかった。


最近研究速度が急激に早くなったのはAdeodataの入植の影響だろうか...

それとも人数が増えた分研究に人員を回せるようになったからか...?

記:5502年第二節11日


朝、客室の脇に変な装置が設置された。

どうやら3おじの為のプラネタリウムを空気中からかき集める為の装置だそうだ。

研究に時間がかかったのか設置できるまでに3年を要した。

これで3おじとFishの問題は解消した。

薬物運用方針を無視するのは今のところこの4人だけなのでよほどの過ちをやらなければこれ以上スパイス中毒患者は増えることはないだろう。


昼...Sanfordから洗濯機を設置スペースを確保してくれる?と頼まれたが...集合住宅の廊下はすでに物置と化しているので設置が出来ない状態だ。

仕方がないので洗濯機設置用の部屋を設計した。

ちゃっかり自部屋を集合住宅の脇に建築できるように設計した。

記:5502年第二節12日


真夜中...夜食を食べてると誰かの悲鳴が聞こえた。

どうやら採掘箇所の天井が崩れたみたいだ。

確かに南東側に危険な掘削地点があった。いつ崩れるかわからない状態なのに掘削したのか...(困惑)


朝起きるとすぐMariaから冷凍庫をの追加を設計してくれないか...?とびきりデカいやつといわれた。

畑の作物を保管する目的だろうと思ったので畑の直下に特大の冷凍庫を設計した。

そんなにデカくて良いのかとか言われたが現にいっぱいになってしまっているのでこれくらいに空間は必要だろうと思うが...問題はこの空間を強力冷凍する冷凍装置があるかどうかだ。


作業台で作業しているがどうもキャラバン隊の準備をしているみたいだ。

ロバを繋ぎ止めてなにかを荷積みしている。


通信機にレイスワンズの和平交渉案件が入っていたのでその関連だろうか...?

自分は特に招集は掛けられていないので設計に没頭できる。


和平交渉部隊としてZoeちゃん、Eudokiaさん、Sanfordさん、Leach姉貴など主要メンバーを含めたキャラバン隊が出発した頃だろうか...?

緊急招集される。

どうやらレイスワンズから襲撃されたみたいだ。

キャラバン隊がすぐに戻ってくる。

かなりの人数だったがキャラバン隊が戻ってこれたので襲撃はすぐに優勢になり撃退が完了した。

しかし問題なのは和平交渉に行くはずがここでレイスワンズのリーダーが死んでしまった事だ。誰が交渉に来るのか謎のままキャラバン隊は交渉の地へ出発した。

記:5502年第二節13日


Zoeちゃんから連絡が入りあと1時間以内で交渉の地に到着する趣旨を聞いた。

夜間は危ないので移動していなかったみたいだ。

Zoeちゃんからの連絡の直後、襲撃だ。

ウーンドワードの連中らはフルアーマーとガトリング、軍用ライフルと殺意マックスの装備で来た。

こんな時に限って主戦力が不在という最悪な状態に。

避難させる人を全員避難させ全員招集。

可能な限り戦ったがやはり相手の装備が圧倒的に上だ。

ここで悲劇が起きる。

眼の前に血飛沫が上がる。

二アメ―アのMariaがばったりと倒れる。

続いて最前線の土のうから狙撃していた野卑が倒れる...

Mariaは息もしていない。Calixtaが応急蘇生を行ったがダメだった。

Mariaが戦死した。野卑もひどい失血による気絶だ。

Mariaの死因は相手の銃弾が骨盤を貫通したことが原因だった。

Calixtaがパニックになって狼狽する。必死にNenvolkが止める。

続いてCalixtaやAnna、Hoodも被弾し気絶する。絶対絶命出会ったが...何とか撃退した。

これが戦場だ。目の前で戦っていた。懸命に...共に生きていた仲間を失った瞬間だった。

Mariaは被弾に弱い二アメ―ア種族なのにリーダーという意気込みのもと最前線で戦っていた。

Mariaが死んでいなかったとしてもこの激しい戦闘では誰かが死んでいたかもしれない。それが自分の可能性もあった。

今回の仲間の死は改めてそう思わせる衝撃的なものだった。


ウソであってくれ...


和平交渉が成功したといういいニュースが入ったが今はそれどころじゃない。

病室ではクーリン達が泣き叫ぶ。

野卑が失血により死亡した。

手当が間に合わなかったようだ。

以前からここのコロニーは医術ができる人がDaughertyとAthanasia、Annaしかいない状態で医療メンバーが手薄な状態だった。

今回の襲撃でDaughertyやAnnaがやられてしまい応急手当が出来なかったことが野卑が死亡した原因になってしまったのだろう。


今回の一件があってやはり主要メンバーの一斉外出は危険きわまりない事、コロニー防衛がZoeちゃん頼りになってしまっている事が浮き彫りとなった。

記:5502年第二節14日


朝から暗い雰囲気だ。

親しい恋人の野卑が死んだAnnaに至っては失神から回復したが精神崩壊してロバを殺害していた...

Athanasiaからは今回の事は深く考えすぎるなと忠告されたがそう簡単に流せるような話ではないだろう。


ウーンドワードの死体処理と武器の回収をしたのだが...

狙撃銃、軍用ライフル、ガトリング...防弾チョッキ...と完璧な装備で来ていた。

対してこちらは防弾チョッキなし、品質の悪いショットガンやエルフボウ、1発ごとのクールタイムが長いモヨロイヤルバリスタだ...

逆によくこの装備の人員を撃退したなと思ってしまうほどだ。


ところで...和平交渉成功から丸々1日経過したがZoeちゃん達が一向に帰ってこない。彼女のインコムに連絡しても取込み中とガイダンスが流れるのみ...

こっちが大変な状態になっている事わかってるのかな...?


Evantiaが囚人の面倒を見てくると言ってムショ部屋に入って行った。

そしてFishにズタズタにされてて救出された。

囚人でストレス発散をしたみたいだ...

どうもMariaの死後レイスワンズ組の様子がおかしい。

確かに仲間殺しの直後に親しいリーダーが死んだのだからおかしくなっても仕方がない事なのかな...


比較的平和だった第二節だったが最後の最後に大きな襲撃があった。

入植者2人の死は大きい。

そしてこのコロニーに大きな問題を抱えている事に気付かされる節となった。


早く地球に帰りたい。

記:5502年第二節15日

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