Life is not all beer and skittles ④
「……大丈夫か?落ち着いたか?」
「だだ、だっだだだ大丈夫だ、もももももも問題ない」
大丈夫なわけないだろっ!!
何故だ!?なぜ守護者がこんなところに!?
冒険者になったのか!?ていうか奴が手首につけているのは、私が深層で落とした
所有者登録を書き換えなければ私以外使えないはずなのに…!
「どうも、落ち着いたようには見えないけど……その、足が…」
守護者に言われて自分の足を見ると、両足ともに工事で使われるハンマードリルのように震えまくっていた。
「あぁ、これは武者震いだ。気にするな」
冷静になれ、私!
守護者と戦った時はVllに搭乗していたんだ、私が操縦者だとバレるはずがない!
しかしいくら言い聞かせても足の震えは止まらず、守護者たちは困惑しつつも一つ席を外した隣に座った。
「お、お見苦しいところを見せたな。私は4…フェルトだ。貴様たちは?」
「俺は002。こっちはライアだ。よろしく」
002!?なんだそのモルモットみたいな名前!?
人間が名乗る名前じゃないだろ!
「そうか、変わった名前だな、002」
「まぁ、ライアからそう呼ばれてるってだけだ。呼び方なんて好きにしてくれ」
何とか必死に会話のようなものを取り繕い、失禁によってわずかに濡れ染みた下半身に力を入れつつこの場をやり過ごす算段を探す。
この化け物と依頼をこなすなぞ無理だ。
恐ろしすぎる。今すぐにでもこの村を出ていきたい。
しかしそれは露骨に過ぎる。
愚かなことに私は深層での戦闘時、守護者とわずかに会話してしまった。
違和感を持たれれば、そこから気づかれる可能性も否めない。
であるならば!
何としてでもこの場を自然にやり過ごし、守護者の目から外れた瞬間に全力で逃走する!
これしかない!
とにかく、絶対に私の正体を隠し通さなければ!
「はぁ…どうしてこんな目に…」
「ん?なんか言ったか?」
「あっ、いや…」
思わず声に漏れた愚痴に反応され、言葉に詰まっていると、回り階段を登ってくる集団が見えた。
私がその集団に気づくと、守護者たちも背後に顔を向ける。
「おい、ほんとにいるじゃん」
どこかで見覚えがる。
現れたのは四人の男女で、先頭に立った金髪の男はよく見ると先ほど酒場で守護者たちの話をしていた男だった。
ネックレスには私と同じウーツ剛が嵌められており、二級冒険者なのだと理解できる。
男は肩で風を切るように歩き、002の前の机に自身が持っていた木札を叩きつけた。
「初めまして、一級冒険者様。俺たち『
見下し、あざ笑うような男の仕草に、私の中に強烈に嫌な予感が駆け巡る。
まずい。あの男、殺される。
守護者が暴れたら、私も巻き添えを食らう!
どうしよう!?
とっさに吹き抜けから飛び降りて逃げる準備をしていたのだが、聞こえてきたのは…
「わかった。ご指導ご鞭撻を頼むよ、先輩」
一切の動揺もない、守護者の承諾した声だった。
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