True Eye 【season1】 -War 5- 未確認飛行姉妹

【Phase1:いつもの非日常】


TE拠点/武器庫


TE部隊には毎月恒例のイベントの様なものがある


この日はほぼ全ての隊員が武器庫へと集い,拠点にある銃を全てのメンテナンスを行うといったもの


私達傭兵は任務に出る回数も多ければ当然銃を使用する頻度も多い


戦場で銃が撃てなくなったでは済まされない


普段は銃のメンテナンスに詳しい隊員達が使用した銃の整備を行っているけれど月一のこの日だけは全員で行う


とは言っても全員が来ている訳ではなく,拠点内の設備,車輌等の整備を分担しているので銃整備班,拠点設備班,車輌設備班と分けられている


「…………」


「…………」


「ふぁ………」


「…………」


皆黙々と整備をしている


集中しているのもあるけれど大体は皆虚無の心境だ


特に日頃から整備を行っていない隊員なら尚更だ


「まぁこんなもんだろ」


「まだ調整が甘いよ,特に使うのが荒川だからもう少し調整してあげないと」


「撃てりゃ問題ねぇだろ」


「演習場で真っ直ぐ弾が飛んでいかないのは整備の腕が悪いって言ってたのは誰だったかしら?」


「ちっ………」


ただ武器の整備をすればいいだけじゃない


隊員一人一人にあったカスタムも仕事の一つだ


荒川の場合は前線で戦う事が多い,その為それに合ったカスタムが施されているのである


「ったく私だって医務室の設備のチェックがあるんだが?」


「日頃から毎日メンテナンスやってるでしょ,それにこっちは数が多いから人手は欲しいのよ」


「ライフル…グレネード…ナイフ…一体どれだけ買い込んだんだ?」


「その他にもTire6社のテストモデルとかもあるからね,夕方までに終わればいいんじゃない?」


「そういえば本当に種類豊富よね,けれど全部が使われている訳じゃないでしょう?」


「その通り,長い事傭兵をやっていると自分に合う銃ってのは見つかるからね」


今思えば隊員は一人一人使用する武器が違う


本来なら考えられない


銃が違うと言う事は弾薬もマガジンも共有が出来ない


しかしTE部隊はそれらを問題としていない


それは何故か


マガジンを使い切る


という事が滅多に起こらないからだ


総じて練度が高い


優秀な傭兵組織と呼ばれる要因の一つだ


「Vだってその馬鹿でかい銃をよく使ってるでしょ?」


「サンダー50の事か?」


TE部隊メディックのV


基本的にほぼ全ての任務に随伴する重要な存在だ


そんな彼女も時には前線で戦う事がある


戦う事があるというかメディックなのにわざわざ前線に出てくる


メディックというより最早突撃兵である


「単発式のハンドキャノン,普通のハンドガンでも十分過ぎると思うけど?」


「うるせぇな,使い慣れてるんだよ」


サンダー50BMG


アメリカが崩壊する前に大量に生産しこれを片手に特攻をしたというのは有名な話だ


単発式なので連射も効かない


ましてや両手で撃ったとしても反動は相当なものだ


その分威力は極めて高い


そもそも人に使うには過ぎた代物だ


それを常用しているなんて正直言って頭がおかしいとしか言えない


「まぁ使う武器に文句は言わないけれど…もう少し使い方は選んで?零距離でぶっ放すものじゃないよこれ」


「近ければ当たるだろ?」


「それならしっかりと訓練してよ…」


しかも極めつけは使用している弾丸が通常の弾丸ではない


12.7mm炸裂式火炎弾


簡単に言えば燃える弾丸だ


Vの場合大抵それを使うか火炎放射器を担いでいる


それ故に名付けられたあだ名は放火魔


爆弾魔といい勝負だ


「それにしても…本当に隊員によって使う武器バラバラよね」


「それもそうだよ,元々寄せ集めの様な隊員しかいないからね,それこそ尖った性能してないと使いたくないって隊員も多いから」


知っての通りTE隊員は元々どこかの軍からの離脱者やフリーランスの傭兵で構成されている


言ってしまえば特に優秀だと判断された人をピックアップ,悪く言えば厄介者が多い


特に軍でスタンドプレーを行ったり元々1人で突出した戦闘技術を持っていたり等…


そんな連中に限って普通使わない様な銃や武器を使用しているのだからこのメンテナンスの日はたまったものではない


「おいニーア…お前が一番銃器に詳しいんだからさっさとやれよ,いつまで刀の手入れしてるつもりだ?」


「いや〜最近なんか斬れ味落ちたかな〜って」


「それは刀に銃口ついた妙な武器だからじゃないの?」


「これからの時代は銃剣だよ」


使用する武器は銃だけじゃない


ニーアが使用しているのは二振りの刀………刀?


見た目は日本刀で間違いない


しかし刃の部分にぽっかりと穴が空いている


しかも柄の部分には見慣れないスイッチが付いているし頭の部分にはマガジンを差し込む空洞も付いている


「まだ試験的なんだけどね,斬りかかると同時に銃弾撃てたら無敵じゃない?」


「なんで刀と銃を合体させる必要があるのかしら…刀と銃をそれぞれ持った方がいいんじゃないかしら?」


「合体させれば二刀流出来るじゃん?」


うん,やっぱりこいつらの思考は理解が出来ない


「これ,できた」


「見なさいよV,アレンくんの方がよっぽど言われた通りに出来てるよ?」


「喧嘩売ってんのかシルヴィア」


先日入ったばかりのアレンは元々手先が器用だ


それ故にこうした作業も一通り教えればすぐに覚えて作業をしてくれる


しかもお金という文化を知らないのでおやつをあげれば使いたい放題なのも便利な点だ


「それじゃあ次は…これね」


「あぁ…ソフィーの対物か」


TE部隊の偵察及び狙撃兵,ソフィー・イリーナが愛用している武器がこの対物ライフルだ


OSV-96


偵察兵なのに対物ライフル?と言われるかもしれないが緊急時を除いてソフィーが使う銃はこの一択だ


折り畳み式で携行しやすい


とは言えこれもVのサンダー50同様人に使うには過ぎた代物だ


ここの隊員は人間をミンチにしなければ気が済まないらしい


「このナイフ全部同じに見えるけど…」


「それぞれ用途が違うの,あ…それ爆薬仕込んであるから気をつけてね」


「流石にこのランチャーはもう使えねぇだろ…ヒビ入ってんぞ」


「何このドラムマガジンくっ付いたグロック…」


まるで俺の考えた最強の銃のテーマパークの様だ,テンションは…特に上がったりはしない


銃には本人の性格が反映されるとは言うが総じて言えるのはまともな隊員がいないという事だ


「ちょっとアレンくん!?そっちの方向にそれ曲がらないから!ミシミシ言ってるから!!」


「おーおー,ソフィーが見たらラリアットだな」


「呼んだかしら?」


噂をすればなんとやら


「ソフィー,これ,壊れてる」


「…………」


そりゃそうだ


曲がりもしない方向へ無理矢理曲げたのだから


「アレンくん,野球しよっか」


「離せ!人権妨害!人でなし!白髪ネギ!」


あの2人の事は放っておこう


野球といってもソフィー式の野球だろう


意外かもしれないがソフィーは野球が得意だ


野球というかキャッチボールが得意だ


キャッチボールというか相手の顔面にボールを投げるのが


「それにしても…なんか今日は平和ね」


「緊急の依頼が入らなければ今日は完全に何も無い日だからね」


「こういう日に限って何か起こるのよねー」


気付けば時刻も大体昼時だ


だというのにまだ半分も終わっていない


それもその筈


いつも夕方くらいに終わればいいだろうといって終わった試しがない


毎月新しい銃器が増えていくからだ


使用されていない銃器を売れば良いのでは?


と言ったことも当然隊員達から意見があがった


いつか使うと社長ルイスに一蹴されて増えていくばかりだ


意外と貧乏性なのだろうか


作業はここで一時休憩となり皆食堂へと向かう


相変わらず昼時になると狭いくらいに隊員達が集まり騒々しい


「はいアレンくんのご飯」


「……………」


さっきまで野球とは名ばかりの野球をしていた2人


ソフィーが差し出した皿には山盛りのピーマンとゴーヤの野菜炒め


そしてそれを恨めしく睨むアレンとニッコニコのソフィーである


えげつない


「お疲れ様,そっちの整備はどんな感じ?」


「まだ半分かしらね,そっちは?」


「こっちも主要な設備の点検は大体終わったかな,午後からは島全体の見回りする予定,アレンみたいにまだ島に隠れ住んでる奴もいるかもしれないし」


実はTE隊員ですらこの島の全貌をまだ知っている訳ではなく,先日発見されたアレンの様な存在がいたからこれを機会に拠点内全ての見回りをしたらどうかという声もあがっていた


とは言え他にまだ誰かしらが住んでいるとは考えにくい


この島は野生動物がかなり多く生息しており時折拠点に熊や野犬が襲ってくる事もある


焼肉パーティだと張り切って銃を撃ちまくる隊員も隊員だがこの島は常に危険と隣り合わせだ


一般人ならそう長くは生きれないだろう


「ルーシー車輌の方は?」


「バッチリ300kmまで出せる様にしといた」


「何がバッチリなんだよ」


他も他で着々と作業は進んでいる様だ


「さて…また午後の作業に戻りましょうか」


「私はちょっくら薬の調合してくる,邪魔すんじゃねぇぞ」


「誰も邪魔なんてしないでしょ…」


「大きな音を立ててみろ,建物を揺らしてでもみろ,ぶっ殺してやる」


「…私達が暴発させるとでも?」


「というかそれだとカレンを縛っておいた方が…ってそういえばカレンは?」


「確か食糧庫…あ………」


もしやと思って食糧庫へと迎えば酒瓶片手に爆睡しているカレン


誰だこいつに食糧庫のチェックを任せた奴は


「はぁー……とりあえず買い出し班も街に向かってくれ,こっちの備品で必要なリストはまとめておいた」


「私はどうすればいいんだい?」


「お前乗車拒否」


何はともあれ腹ごしらえが済めばまた午後の作業が始まる


戦場に出向くよりは遥かに平和だろう


このまま今日は何事もなく一日が終わりまた新しい一日が始まればいい


「…なぁ咲夜,あれなんだ?」


「あー………?UFO……?」


ふと空を見上げれば何か飛んでいた


飛んでいたというか落ちてきている


見るからにUFOだと分かる見た目の何かだ


黒煙をあげながら不規則な動きで落下してきているじゃないか


まさかUFOが実在したのか?


って問いには疑問を抱かない


UFOの一機や二機くらい飛んでるだろう


多分


「うわ…落下したよあれ…」


「凛,そっちはどうなってる?」


『飛行物体は確認してます,けどレーダーに反応は無しです』


「おいごるぁぁぁ!!でけぇ音も地響きも起こすなって言っただろうがぁ!!!」


「私達じゃない私達じゃない!!あれは外から!!!」


「カレンてめぇぇぇぇ!!!今度は何しでかした!?」


「あひゃひゃひゃひゃっ!黒卵が喋ってるっすっ!」


「はぁー……こいつら……とはいえ確認は必須だ,咲夜,美香,シルヴィア,V,武装した後落下物の確認に急げ」


平和な日常なんかない


いつだって非日常がTE拠点だ


【Phase2:未知との遭遇?】


「プルルルル…あーあーこちら墜落墜落,機体が破損しちゃって至急救援求めまーす」


『こちらHQ,了解直ちに救援部隊を送る,オーバー』


「……………」


「ある日の昼下がり…姉妹の乗った機体は不幸にもトラブルが起きて墜落を余儀なくされ…」


「お姉ちゃん,うるさい」


「ちぇー…墜落しちゃたんだから遊んでたっていーじゃん?」


「墜落させたんでしょ,だから代わるの嫌だったのに…」


ある日TE拠点のある島へ一機のUFOが墜落した


冗談ではなく本当にUFOが墜落した


見るからにUFOですと言わんばかりの形状をした何かだ


今やそんな事で驚く人間なんかはいない


UFOも宇宙人もいたっておかしくない


私達人類は未だ地球の事さえ把握出来ていない


宇宙は尚更だ


「ねぇ…UFOってどこから来ると思う?」


「宇宙じゃない?」


「エリア51だろ」


「そもそも本当にUFOなのかな」


「墜落してきた機体は文字通りUFO…の様な何か,見るからにそんな見た目をしてるか普通…」


「それは確かにそうよね…寧ろ噂に忠実な程…誰かが作った物かも知れないわね」


「そもそも何で私まで同行しねぇとならねぇんだ」


「負傷者がいたら必要だろ?」


「私に宇宙人の治療をしろってか?」


本当に宇宙人なのかはこの目で見るまでは分からない


しかし本当に宇宙人だったらどうするのだろうか


タコみたいなのが出てきたら…


と思ったけどそれなら今日の夜はたこ焼きになるだけだろう


何はともあれそう遠くに落下してもいないので意外と早く辿り着けた


「ねぇ狭い!そんな動き回らないでよ!」


「体は動かさないとどんどん動かなくなってくよー?」


「だからってこんな中でブレイクダンスやるなんて何考えてるの!」


「…………」


「…………」


「……おい,帰っていいか?」


中からは騒々しい喧嘩のやり取り


一体なんなのだろう


「あー…墜落した中の人聞こえるか?こちらはTE部隊,この島は私達TE部隊の島だ,許可無く…と言っても墜落したなら仕方ないけど…一先ず外に出てきてくれないか?」


「「…………」」


ぴたりと声が止まる


私達の存在に気がついたらしい


「咲夜,発砲許可は?」


「いや…やめておけ,まずは相手の出方を見る」


「あとはもてなし用のお菓子を持ってきておいてくれ,彼女達は敵ではないだろう,高級なお菓子で出迎えてあげよう」


「あ?何とち狂った事言ってんだ?」


「は?私何も言ってないけど?」


「あ"?」


「ちょっと待って…じゃあ今の声って…?」


今の声は紛れもない咲夜の声だった


一体何が起こっている?


「ハロハロ〜,どうも地球人の皆様方〜」


「…どうも」


気がつけばUFOの上に2人の人影


いつの間に機体から出てきたのだろうか


「…話は聞いていたな?何者だ?」


「よくぞ聞いてくれました!私達は遥か宇宙の彼方からやってきた宇宙人!不幸にも黒塗りのUFOと接触事故を起こして墜落してしまいました!」


「ごめんなさい,私達も墜落したくて墜落した訳じゃないの」


「……どうする?咲夜」


「あー……なんていうか……」


「……データベース照合…該当有り…イーミュイ・ローレライ…ステラ・ローレライ……1921年産まれ…小学生…2億$の資産を持って……」


「全てがおかしいぞ…本当にデータベースにあるのか?」


「えーと…確かにデータベースにはあるんですけどデタラメですね…つまり該当データ無しです」


「…………」


「ままっ!私達宇宙人にとって地球人のデータなんかね?」


データベースの情報はデタラメ,はっきり言って得体の知れない相手だ


それにしても緊張感がない


そんな空気に段々とVがイライラし始めている


そんなVへと目線をやる相手


「…いやぁそんな事しない方がいいと思うけどな〜?」


「……何の話だ?」


「誤射を装って私達を殺すのはよくないと思うよ〜?今日なら整備不良で誤魔化せる…でしょ?」


「…………」


「そっちの人も〜?私達の死角からドローンを展開してるよね?何があっても先手が取れる様に…お仲間達にも連絡済みだしこのまま時間稼ぎをすれば更に有利になる…地球人は怖いね〜」


「……!!」


何故私の思考を把握されている?


それにVの様子を見ても恐らく思考を読まれている事が分かる


読心術?


いや…それだとしても私達の情報を持っているのか,それとも理屈も何もないただ思考を読むものなのか


「色々と考えてるね〜,まぁ私達は宇宙人なので〜?」


「…どうするの?咲夜」


「そうだな……」


「おい!無事か!墜落した奴らはどうした!」


ルイスの声だ


拠点に伝えた情報を頼りに来たのだろう


意外と早かった


そう思って後ろを振り返る


しかしそこにルイスの姿はなかった


「隙あり〜!ステラー!」


「はいはい…テレポート」


視線をすぐさま戻す


目の前から一瞬で姿が消えた


テレポート


確かにそう聞こえた


一瞬のうちに姿を消した,本当にテレポートの能力を持っているのだろうか


「………何なんだ一体…」


「おい,何があった?」


「……今度はしっかりといるみたいね…」


「何の話だ?それで何があった?」


「墜落したUFOから2人の自称宇宙人が姿を現した,データは送られていると思うけど正直得体が知れない,突出した事と言えば私達の思考を読んだ事,いない筈のルイスや私の声を真似た事,そして目の前から一瞬で姿を消した事」


「……異能者か?」


「可能性はゼロじゃない…どのみち敵か味方かも分からないのが現状…かな」


「……一先ず捜索を開始する,機体はルーシーに調べさせるとしよう,美香」


「えぇ,ドローン全機展開」


「捜索にはアレンを同行させる,俺達よりも島に詳しい」


「島は広い,グループ分けした方がいいな」


「一度拠点へ戻ろう」


TE拠点/モニタールーム


「状況を伝える,本日拠点内へ一機のUFOが墜落,中からは宇宙人を名乗る二人組が姿を現し現在の所在は不明」


「……………」


「……………」


「…どうした?」


「えーと…それって何かの冗談っすか?」


「うぉぉぉぉ!宇宙人!!まるで映画の様じゃないか!」


「うるせぇぞ荒川!!!」


「あー…一応事実だ,要点を伝えると現在もまだ島のどこかへ潜伏してる可能性が高いから身柄の拘束が目的だ,注意事項として私達の声を真似る事が出来る,私達の思考を読む事が出来る,そして目の前から一瞬で姿を消す事が出来る」


「…随分と妙なのが来たのね」


「遅かったなソフィー,まぁそんな訳でこれからいくつかのグループに分けて捜索を行う,今は街に向かった奴もいるから人数も少ない,2人1組で行動してくれ」


「…それで何で私にアレン押し付けるの?」


「キャッチボールするくらい仲良いいんだろ?」


「…確かに整備をサボったのは悪いけれど…」


「こんな白髪ネギ嫌だ」


「アレンくん,お昼ご飯足りなかった?」


「何か問題が起こる前に手を打とう,各自行動開始」


【Phase3 ソフィーの秘策】


いつだって非日常がこの拠点の常だ


突如現れる6つの頭を持ったサメの襲来


巨大なタコの襲来


果ては隕石の落下


そんな今日はUFOが墜落して宇宙人の捜索ときたものだ


そんな非日常に慣れている隊員も大概だろう


「美香,ドローンの様子は?」


「人影は見えないですね…派手な下着なら見つけましたけど」


「お前…」


「Vさんって結構際どいの履いてるんですね」


「お前本当にいつか殺されるぞ」


ドローン全機総勢20機


それらを用いても未だ例の2人組の姿は確認出来ない


テレポートを繰り返しているのか姿が視認されにくい場所へ隠れているかだろう


分からないのは何が目的なのかだ


見た感じ敵対的ではなかった


それどころか私が抱いた印象はただ幼い少女だった


自称宇宙人の考えは理解出来ない


『美香,聞こえる?』


「…秘匿回線?どうしたのソフィー」


『私が知り得た情報を伝えておくわ』


「………分かった,ありがとう」


「どうした?」


「いえ…何か妙なノイズが聞こえて…」


「無線機もそろそろ買い替え時かもな」


「それもそうだな」


「うおっ!?ルイス…お前着いてきてたんなら言えよ…」


「悪い,俺も探し物をしててな,例の墜落物は?」


「ルーシーが弄ってるよ,まだ何も情報は得られてないみたいだ」


「そうか」


「………」


「どうした?美香」


「いえ…お昼に食べたパスタじゃ足りなくてお腹空いたな〜って」


「なら食べてきたらどうだ?俺もまた」


「咲夜!!こいつルイスじゃないわ!!!」


「え…」


「ありゃ〜バレちゃった?」


「だって私が今日食べたのはラーメン…それも作ったのはルイス自身,パスタなんか食べてないわ」


「あはははは!」


(やっぱり予想通り…)


「咲夜!捕えるわよ!」


「だめだめ,それじゃあ一手遅いよ〜?」


「…また消えた…」


テレポート能力


捕えるのはかなり難しいだろう


「…変装能力…伝える事が増えたな…」


「けれど分かった事もある,咲夜,私とソフィーに任せて」


「……勝算は?」


「95%,ヒロインを堕とすよりも確率は高いわ」


「ふむ…じゃあ任せるか」


TE拠点/ソフィー&アレンペア


「アレンくん,人が隠れそうな場所は?」


「めちゃくちゃ多い」


「じゃあそれ全部地図に書いておいてね」


「お前,嫌い」


島の事を熟知したアレンと偵察兵のソフィー


組み合わせ的には良いと言える


「咲夜からの伝達…変装能力…ね……」


先程現れたルイスの偽物


声も真似る事が出来るため判別は非常に困難だ


伝達された情報ではルイス1人のみ


これだけでも分かる情報がある


2人で出てこなかった事から変装能力を持っているのはどちらか片方だ


そうでなければ早々に隊員に紛れ込んで脱出も出来るだろう


その上で次に取ってくる行動はある程度予測が出来る


「一旦拠点に帰るわよアレンくん」


隊員に紛れ込む事が出来るという事は拠点に侵入することも容易いという事


情報を取られては遅い


先手を打つ必要がある


「やぁソフィー,お疲れ様」


「お疲れ様荒川,咲夜からの伝達は聞いた?」


「もちろん聞いたよ,変装能力だって?厄介だね」


「で,あんたは本物?」


「本物に決まってるじゃないか」


「疑い始めたらキリがない…エグいわね」


「そうだね,じゃあソフィーも気をつけて」


荒川と別れモニタールームへ


目的はもちろん現在拠点にいる隊員の所在だ


「凛,現在の隊員の座標は?」


「えーと…これです」


「…信号が多過ぎる…撹乱目的かしら」


「識別する為の信号まで同じ…つまり敵はこちらの情報を入手しています」


一足遅かった


時間が経てば経つ程不利になっていくだろう


「荒川の信号は割り出せる?」


「…難しいです,通信してみない事には…」


「はぁっ……はぁっ!今ここに私来なかった!?」


「さっきぶりね荒川」


「さっきぶり!?それは私じゃない!偽物だよ!!」


「って事は今さっき情報を取られたのかしら…」


「そんな事も分からないなんて…まるで映画みたいだね…」


「映画?……あぁそうか,荒川,こっち向いて」


「ん?どうしんだi」


「チェェェェエストォォォォォ!!!!!」


炸裂ソフィーラリアット


おおよそ人間に対して使っていい技ではない


「……うん,これ本物の荒川だわ」


「……ソフィーさん分かっててやりました?」


「まさか,疑わしくは罰せよって言葉があるでしょ?」


「私時々ソフィーさんが怖くて仕方ないですよ」


荒川にラリアットをしたのには別の意図がある


しかし1%でも可能性があればやっておくのがソフィーのやり方だろう


「さて…変装に変声…読心にテレポーテーション……厄介な布陣だけど…」


「…何か策はあるんです?」


「キングを獲るためにクィーンを落とす,凛,無線閉鎖をお願い」


「…?分かりました,けれどそれでは連絡手段が…」


「大丈夫,すぐに捕らえて帰ってくるから」


この時ソフィーは内心楽しんでいた


特にこの手の厄介な盤面はチェスに似ている


チェスにおいて勝つ秘訣は幾つかあるがあえてその内の一つを述べるのであれば勝利の為に駒を犠牲にする事


駒が最大限力を発揮するのは犠牲になった時だ


そしてその決断を下す瞬間を見誤ってはいけない


今回の捜索においても同じ事が言える


相手は手強い


それならば如何に相手をチェックメイトへ追い詰めるか


ソフィーには秘策がある


そしてそれがチェックメイトとなるのだろう


TE拠点/カレン&コノエ


「えぇ……本当にこれやっていいんすか」


「確認とってみたらどう?」


「それが通信がダメになってるんすよね,確認のしようがないっす」


「…まぁでもいいんじゃない?撹乱が目的ならうってつけだし」


通信が閉鎖される前にカレンの元へと届いた命令


それはすごく単純なものだ


それもその筈だ


山の一角を吹き飛ばせ


カレンにうってつけの命令だろう


しかしそれは咲夜の命令ではなくソフィーからだ


捜索任務の指揮をとっているのは咲夜の筈だ


その為本当にやっていいのかをカレンは悩んでいた


というより悩む脳みそがあった事に驚いている


「ま…いっか!っしゃおらぁ!!」


TE拠点/シュガー&V


「おい…あの馬鹿なにやってんだ?」


「馬鹿?」


「カレンだ,あの爆発はあいつの仕業だろ」


「誤射じゃない?」


「一発は誤射って言葉があるがあんなもん誤射でもごめんだ,それよりも通信が出来なくなってる,あいつら面倒な事しやがって…」


「それにしても宇宙人なんて初めてですね」


「宇宙人かどうかはさておいて私の邪魔したのは許さねぇ,もしかしたらカレンがあいつらを見つけて攻撃したのかもしれねぇ,向かうぞ」


TE拠点/咲夜&美香


「あーもうあの馬鹿何ぶっ放してんだよ…」


「あれが合図かぁ…」


「任せた私も私だけどお前らの作戦無理矢理過ぎない?」


「文句ならソフィーに言ってよ,でも捕まえるのなら手っ取り早い方がいいんじゃない?」


「まぁ怪我人が出なければいいんだけどさ…」


「とりあえず向かいましょう,上手くいけば…」


TE拠点/カレンの爆破跡


「よぉ,お前らも来たのか」


「あんなの見えりゃね,んで馬鹿やった張本人は?」


「呼んだっすか?」


「おーおー馬鹿が来た」


「……で?ここからどうすんの?」


「……………」


集まったはいいがこの後特に何かをする訳ではない


ソフィーの作戦


それは例の2人組をここへ呼び寄せる事


ソフィーが感じ取ったもの


それは同類の匂いだ


あの2人に敵対心はない


しかし姿を消したかと思えば変装してこちら側へ干渉してきた


まるで遊びたがっている子供の様に


事実見た目も幼い,歳相応と言ったところだ


それならばこちらから面白そうな事を起こせばきっと好奇心に身を任せて来るはず…と


5分


10分


15分


2人組の姿はない


そう思っていた矢先だった


「全然探しに来ないから探されにきてあげました〜!」


「……本当に来たぞあいつら」


「ん〜?なるほど,どうやら私達を誘き寄せる為の作戦…って訳ですねぃ?」


「目的は何だ?せめて話くらいしてほしいんだが…」


「いやぁ〜私達宇宙人ですよ?目的といったら地球侵略的な〜?」


その時だった


「おわっ!?」


「……今の音…ソフィーか?」


足元への着弾


わざと外している


いつでも撃ち殺せるという警告だ


『あーあー,聞こえてるかしら?』


「ドローン経由の無線…?」


『今のは警告,妙な真似をしたら次は頭を吹き飛ばす,私からは貴女達の姿は丸見え,そちらからは見えないでしょう?思考を読む事も不可能,ましてやこの作戦は私が考えて全貌は皆に伝えていない,次にどの様な行動をとっても先手を取る自信がある』


「ありゃりゃ…それならいっそ逃げの一手でも…」


『私の推測が正しければテレポーテーションも意味を成さないでしょう?』


「……………」


驚いた


本当にあの2人組を追い詰めてしまっている


これがソフィーの秘策だ


変装に変声


これに関しては向こうからわざわざ近づいてくる事を待つしかない


最初の一手はそこからだ


そして案の定彼女達は好奇心に身を任せこの場へ現れた


特に自在に声を操れるという情報を得たソフィーからは変装して接触する可能性があると秘匿の通信で私に伝えられていた


その上でなるべく接触する様にと,だから私はわざわざカマをかけて偽物だと見抜いた


そして読心


策を読まれてはならない


だからこそソフィーは敢えて距離を取った


相手が理屈もないただの読心能力を持っているのであればまともではいられないだろう


人間,獣,様々な生物がいるこの島で全ての思考を読んでいたら脳の処理が追いつかない


無論それはあくまで人間の場合であったらだ


宇宙人と名乗った彼女達,ソフィーはそれを信じてはいない


彼女達は人間であると確信があったからだ


そこから彼女の読心の能力の条件を考えた


それは視認しており尚且つ近距離の相手に限定される能力


距離を置き,更に相手から見えないのであれば心を読まれる心配もない


更に作戦の全貌を伝えない事によってその場にいる隊員からも作戦内容を得られない


そして最後にテレポーテーション


一瞬で姿を暗ます能力で一番厄介な能力


これに関しては情報があまりにも少ない


だからこそソフィーは美香へと連絡を取ったのだ


テレポーテーションの謎を突き止める為に


そしてソフィーは突き止めた


彼女はルイスの格好をしながら咲夜と美香の前へと姿を現した


そして私が偽物なのを見抜き,危なくなった途端にテレポーテーションで姿を消した


ソフィーはこのテレポーテーションにも何か引っかかっていた


本当にその場から姿を消す能力なのか?


恐らく能力を持っているのはもう片方だ


それでも尚一瞬で姿を消せるとはいえ銃を持つ私達の前で余裕の態度を見せれるのか?


人間であるならば少なからず恐怖心は生まれる


そしてそれがない様子を見るに確実に避けれる手段がテレポーテーションであると確信しているからだ


姿を消す


それは結果だ


それまでの過程,手段


そして私が行った事


それはドローンによるビデオ記録


それこそがテレポーテーションの謎を突き止めるきっかけになった


大量に展開したドローン


それら全ての記録


まず死角に展開させたドローン,それは私自身の思考から読み取られあっけなく存在が気付かれた


しかし本命は違う


上空のドローンが私の与えられた作戦に必要だった


相手は子供,必ず油断する筈


だから死角のドローンの存在に気付いた時点で余裕の態度を見せて心を読む事をやめたのだろう


そしてテレポーテーションの瞬間を上空のドローンはしっかりと記録していた


時間の停止


それこそがテレポーテーションの真実だった


死角のドローンや私達の意識が停止していたのに関わらず上空のドローンが記録を続けていた事から時間停止には範囲がある


これで全ての準備が整ってソフィーはチェックメイトをかけたのだ


読心も時間停止も意味を成さない遠距離からの狙撃


『既にこっちは1人犠牲者が出ている,こちらの指示に従わなければ即座に射殺する,どうかしら?』


「…………」


「お姉ちゃん,詰められてるよ,諦めよ?」


「ふぅ〜ん……ふぅぅぅん……ま,いっか,はいはい従いますよ〜」


2人は負けを認めたらしく大人しく私達の指示通りに拠点へと連行された


「さて…幾つか質問する事があるんだが…」


「私ジュース飲みたいな〜?」


「私はオレンジジュース」


「………悪い,誰か取ってきてやってくれないか?」


拘束されてはいるが態度は変わらず


相変わらず子供っぽいというか緊張感がない


「それでだ,名前は…合ってるのか?データベースのと」


「名前は本当だよ〜?宇宙人なのも本当だよ〜?」


「よし分かった手ぇ出せ」


「どうして〜?」


「血液のサンプルを取る,さっさと手を出せ」


「やめてぇぇぇぇ!私注射怖い!!!」


「ぷっ…!」


「はっはっは!Vの声でそんな台詞言われると笑えてくるね!」


「荒川,てめぇの首180°捻じ曲げてやろうか?」


「ごめんって,ソフィーのラリアットで首痛いのに更に痛くなるのはごめんだね」


あぁ,犠牲者って荒川の事だったのか


というよりそれはソフィーの所為では


「んじゃ私はDNAを調べてくる,戻ってくるまでにそいつらの事何か聞き出しておけよ」


「……さて,この際名前も人種も置いておこう,君達の目的は?」


「地球侵略!」


「…私達の乗るUFOの運転は私がしてたんだけどお姉ちゃんが無理矢理運転代わって墜落した,強いて言うなら直るまでここに居させて貰いたいんだけど…」


「…妹の方はまともだな…」


要はUFOが直るまで居候が彼女達の目的ということだろう


しかしそれは難しい話だ


部外者をこの拠点に置いておく等何をされるか分かったものじゃない


特にこの2人の性格から十中八九何かをしでかしてくれるだろう


「はいジュース,あと一応お菓子も」


「「お菓子…!」」


「……獣人…にしては妙だな,妖の類とも考えにくい…」


「…これは猫科の獣人の耳と尻尾ね…感情に影響されて出てるのかしら…」


先程までなかった耳と尻尾がお菓子を見た途端に生えてきた


これはデータベースにも該当しない事だ


獣人なら常に耳と尻尾は出ている


妖であれば隠す事は出来るのだが…


「解析は終わった,結論から言うと限りなく人間だ,だが得体の知れねぇDNAが混ざってる」


「妖という線は?」


「妖は白狐のサンプルがある,照らし合わせても全く別のものだ」


得体の知れないDNA


本当に宇宙人なんじゃないかって思えてきた


「一先ず拠点に置いておく事は出来ない,セントラルシティに送りに行こう」


「同感だ,ガキはアルとアレンの2人で十分だ」


「え〜?役に立つと思うよ〜?」


姉の方がニヤリと笑った気がした


その時だった


「なんだ!?」


拠点の防護シャッターが突然降りた


そして鳴り響くけたたましい警報


「どうした?問題か?」


『とにかくモニタールームに来てください!何者かにハッキングを受けてます!!』


「おやおやおや〜?な〜にかトラブルですかぁ?」


「ここを動くなよ,俺達は…」


「……ハッキングなら私が何とか出来る」


「何を隠そう私の妹ちゃんはハッキングのプロでして〜,どうします〜?手を貸しましょうか〜?」


「……凛,状況は?」


『対応してますけど…早過ぎます…!防壁が突破されてます!!』


「………やれるのか?」


「おいルイス…こんな得体の知れねぇ奴等を使うつもりじゃねぇよな?」


「得体が知れなくても使えるものは使う,データの流出は俺達の死を意味する」


「…条件がある,私達をここへ置いて,じゃないとやらない」


「……いいだろう,だがそれは成功してからだ」


TE拠点/モニタールーム


「まずいですまずいです…6階層までのプロテクトが突破されてます…!!」


「いくら何でも早過ぎますよぉ!」


「ホーキンス!デコイは!?」


「もうやってるって!!」


モニタールームでは3人が必死にハッキングの対応をしていた


それでも状況は芳しくない


「ハッキングはどこからだ?」


「分かりません!人間技じゃないですよこんなの!」


「やばばばば!もうこれ以上食い止められないです!!」


「…ステラ,どうだ?」


「1人でやらせて」


ステラ,2人組の妹の方だ


彼女は椅子へ腰掛けると暫くキーボードに触れもせずただ画面を眺めていた


他の隊員達はそれを見ながら不安な気持ちに押しつぶされそうだった


「…やろっか」


ここでようやくキーボードへと触れる


早い


手元を見てもいない


ただ数字を打ち込みひたすらに画面を直視している


「方法は簡単,侵入を試みるプログラムの中に手を加えた部分を探すコードが含まれてる,つまりこっちが守ろうとした部分を重点的に狙う傾向がある」


「やばいです…もう8階層までのプロテクトが突破されてます…」


「あと2階層あるなら余裕,このプログラムには弱点がある,それは手を加えた部分を優先的に狙う,つまり餌を与えればそこへ向かってくれる」


「……つまり?」


「このプログラムは迷路の中で迷ってる,それなら迷路そのものを作り変えて出口へ導いてあげれば勝手に自滅する,お姉ちゃんこっち来て」


「あ〜いつもの〜?」


「ん……」


「イェーイ!」


パシャリとカメラに向かって中指を突き立てる2人


一体何をやっているのか


「お疲れ様,ばいばい」


そして最後の一押し


警報は止まり防護シャッターが開いていく


それはハッキングからの攻撃を防いだ事の証明だ


「…これでいいでしょ?約束通り暫くここが私達のお家だね」


「へっへっへ,お世話になりますねぃ皆さん〜♪」


「……という訳だ,また愉快な仲間が増えたな」


「先が思いやられるわこの組織…」


問題は解決したとはいえ新たな問題


問題というか厄介な双子姉妹がこうしてTE拠点へと加わった


無論拠点に壊滅的な被害をもたらす事は禁止されるのは言わずもがな


しかしそれでも尚子供らしく好奇心に身を任せてこの拠点の非日常に貢献してくれるだろう


そして忘れてはいけない


そう,まだ武器の整備が終わっていない


この日の銃の整備は日付けが変わるまで続いた


非日常が日常とはいえこんな一日はもう懲り懲りだ


これなら任務に出ていた方がよっぽどマシだと思う程に


















































「ほらお姉ちゃん,よく撮れてるよ」


「昼間撮った写真綺麗に写ってるね〜,それにしてもステラやっるぅ〜」


「お姉ちゃんもお芝居ご苦労様,前のお家追い出されちゃったから丁度よかったね」


「へっへっへ〜,あの人はチェックメイトしたつもりだけど最後の最後に詰めが甘かったね〜,最後の一手っていうのはぺらぺらと喋っちゃだめなのさ〜」


かくしてこの騒動は最初からこの双子姉妹の手のひらだったのは誰も知る由はなかった


-Next War-

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