新年 SS 最後は二人で
私は今、先輩と神社にいる。もうすぐ年越しだ……。
「寒いね」
はぁーと先輩が白い息を吐く。
「そうですね、それにクリスマスの時と違って人が多いです」
「確かに……。身動き取れないね」
神社の境内は人でいっぱいだ。
「帰りに何か買えるかな?」
周りにある屋台を見て先輩が言う。
「厳しいかもですね。人も多いですし、残っているかどうか……」
「残ってたらいいよね」
はにかむ先輩に見惚れて、私は佇む。
「…………」
「渚?進むよ?」
人が流れていく。私たちも波の中の一人にすぎない。
……これだけの人から先輩を独り占め出来るなんて幸せだな。
「はい、とはいっても本当に少しですけどね」
先輩が止まって、スマホを見る。
そしてこちらに画面を向けて
「あと三十秒だ」
「飛びます?年越しのタイミングで」
冗談で言ってみる。
「人多いからちょっとだけね」
意外にも先輩は乗り気だ。
……なんとなく先輩の空いている手を握る。
特に先輩は、驚くことなくこちらをチラッと見るだけだった。
二人でスマホの画面を噛り付くように見る。
三。二。一。
私と先輩は手を繋いでほんの少しだけ飛んだ。
ぼおぉぉーーん
と鐘がなる。
その音が聞こえないくらい私は隣の先輩に夢中だった。
ーー儚く美しい羽根を持った鳥にーー
「明けましておめでとう、渚!今年もよろしくね」
笑顔で先輩と新年の挨拶を交わす。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。先輩♪」
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明けましておめでとうございます。
これからも気分で投稿していきます。
なんか昨日投稿した話のせいで重たい?
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