承前
「それなら手伝ってもらうかな」自分は単純な顔した魅力的の黒い胸した女性人形にいった、「国語教師のことをおもいだしたんだ。国語教師なんてのはボンクラなもんだけど、彼女は綺麗なんだ。ものすごく。だから彼女の皮膚の下にもぐりこんで一面中に卵を産みつけてやりたくってね。でもオレは蝿にしては大きすぎる蝿男だから助けが必要なんだよ」
女性人形は表情を単純なままに動かさず、からだ全体も微動だにしなかった。
沈思黙考のようにもみえたが、オレの相談事を全体スルーしたのかもしれない長い間微動だにぜず、もういちど発言をくりかえすべきか逡巡している自分をオレがもてあまして薄茶色にみちた広い室内のむこう、大きな窓のむこうの雨に視線をあてていると、じつにまったくオカシなタイミングで上体を跳ね上げて上体をソファに起こした女性人形が、
「わたしにはムリだけど、この部屋の持ちぬし夫婦だったら、そうね、手をかせるかもね」とオレにいってくれた。
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