(承前)

「わたしの持ち主なんだけど、それはこのペントハウスの持ち主でもあるんだけど、夫婦して出かけちゃったの。国を救うために、法をまげてでもやらなくちゃいけないことがあるんだって」脱力してのけぞったような体勢のまま、目は天井にむけたままで人形はいった。

 これだけ高級なレジデンスともなると、ペントハウスは50億円をくだらないだろう。それがなぜオレの部屋とつながっているのか、その点にいまはふれないことにして、

「どんな人たちなんだ」と自分はきいた。

「いい人たちよ。たぶん」

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