第2話

「はぁ…疲れた…」


学校が終わった後自転車を20分程漕いでようやく我が家にたどり着いた。両親は共働きなので家には今誰もいない。


今日から授業が本格的に始まった事と慣れない環境にどっと気疲れを感じつつも俺の気分は今向陽している。

そう、ここからは誰の目も気にせずに趣味であるゲームに勤しむことができるからである!!


2階にある自室へと移動しゲーム機を起動する。起動したのは2人1組の部隊を自動的に組まれ敵と銃撃戦を繰り広げるオーソドックスなFPS《エフピーエス》でチームワークが重要となるゲームだ。


そんなゲームをなぜ1人でやるのかって?もちろん一緒にやってくれるやつが夜にならないとゲームを開かないからだよ!ちくしょう!


試合が始まると付けていたイヤホンから女性のような声が聞こえた。

画面を見るとチームメンバーの1人がボイスチャットを使って喋っているようだ。


「こんにちは〜よろしくお願いします!」


挨拶をされたので無視する訳にもいかないのだが俺が普段あまりボイスチャットを使わないのもあって少し躊躇してしまう。


「にしても綺麗な声してんな…」


そうして俺はボイスチャットをONにする。

「こんにちは。よろしくです」


「あ!返事してもらえた!えっと…ikutoさん?でいいんですよね?がんばりましょう!」


「はい。いくとで合ってますよ、よろしくお願いしますねLさん」


それぞれのプレイヤーネームの確認と挨拶を済ませたところでゲームを進めていく。

どうやらLさんは初心者らしく試合中色々な事を聞いてきた。

初心者と関わるのは新鮮だし、自分も初心に戻れたので結構楽しめた。


試合終盤Lさんが意外なセンスを見せつけなんとか勝つことができた。


「ありがとうございました〜!めちゃ楽しかったです!よかったらフレンド申請送ってもいいですか?」


「はい。大丈夫ですよ。この時間帯くらいならいつでも空いてますので気軽に誘ってください」


そんなやりとりを交わして試合を終了する。

その瞬間学校の疲れもあってかどっと睡魔が襲ってきた。


「ふぅ…色々喋って疲れたし親が帰ってくるまで寝るか」


そうしてゲームを閉じようとしたところでさっきのLさんから速攻メッセージ付きでパーティ招待が届いた。


『 良かったらもう1戦やりませんか?』


少し悩んだがお断りの返事をさせて貰った。

(悪いなLさん俺は今とてつもなく眠いんだ。

睡魔に勝てる者はいないのだ…許せ)










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る