第106話格差社会
時間を戻し1ヶ月悩み 国民との対話を日々繰り返す総理
相手が総理に聞きたい事 希望する事 雑談など一通り話 終えてから こちらからも相手に質問する
老若男女 家族 生活に余裕がある人ない人
冗談で言ったつもりだったが本当に金融の質問をしてくる人など色々訪れる
相手に合わせ ご老人には若者をどう思うか?
若者には ご老人をどう思うか?
余裕がある人ない人にも お金持ちをどう思うか?生活困窮者をどう思うか?
家族ならば誰が家族の財布を握っているのか?
金融に興味や知識がある人には お金や税金
経済ならば今の学歴社会や格差社会について質問して意見を聞き自分の意見を ぶつけてみる
それを終え国会で政策発表する前日に副総理も呼びミーティングを行う
………………………………………………………
プライベートルームでミーティング開始
「ふぅ〜そろそろ次の一手を打つ事にしました」
佐藤副総理「なんだ…中田の農地開拓は待たないのか?」
「もう待たないです
まだ時間はかかりますが流れは出来てる…いずれは国営農業を開始して食の輸出国を目指します…あっ…いずれ民営化すると言いましたが
やっぱりキャンセルで…進路変更です…ハハハ」
番場「ん? 国営でやり続けると言う事か?」
「はい…国営です…その代わり独立して やりたい人がいれば それでもいい…土地や資金などスタートアップ支援してあげればいい
次にエネルギー問題…
私の目標は他国からの脱却…
食料とエネルギーがあれば依存しなくていい この国だけでも生活出来る様にしたい
世界にコントロールされない国にしたい
しかし ここは今まで通り支援はしますが次世代に おまかせしようと思います。」
堀田「えっ…諦めるんですか? ちょっと総理らしくないような…」
「諦めてはないです。より現実的に考えて妥協点を探りながらですね…私が現時点で1番期待しているのは海洋エネルギー 潮力発電など海や波の力を利用する方法です。しかし
海上での施設建設の難しさや維持コストの高さ、自然災害への耐久性の低さ 海の生態系破壊 海水の塩分によるタービンなどをはじめとした機材の早期劣化…今の技術では機材は
5〜10年で使えなくなる。 この国に1番適している再生可能エネルギーだと思ってますが最近の台風 地震 水害などの多さから考えると度々 破壊されていたら 割に合わない… 」
副総理「だが原発よりはコストは安いはずだぞ」
「それでも もっと高い技術力や耐久性 コストパフォーマンスが ほしいです…今後 他のエネルギー開発も進むかもしれません…」
番場「ならば他国依存からは脱却出来ない」
「はい…私の政権内では難しいと思います…
次世代に お任せして今確実に出来る事から進む…勿論 出来るならば少しでも前進あるのみですが 私の第1の政策だけでも大変な予算を使っている…未来の負債を増やし過ぎるのも マズいです…まずは この国を豊かにする事
経済赤字のまま理想論だけで好き勝手できません」
副総理「無いものは買うしかないか…」
「はい…エネルギー問題は長い時間がかかります。他国でも海洋エネルギー開発している国もあるので技術は いずれ共有出来る。
副総理の言う通り 国でも国民でも 無いものは買うしかない。
ネットショッピングでも いくら以上買えば配送料無料とかありますよね? 本来払うべきものですが その無料分は売った人ではなく ほとんど弱い立場の配達員のガソリン代の損失になってます。こういう所は なるべく平等になる国にしましょう。」
番場「で…次の一手は?」
「まぁまぁ…ちょっと待ってください。他にも議論したい事があります。
私は この1ヶ月 今後の方針を決めるため国民の意見を沢山聞いて来ました。
まずは格差社会問題…
どこかの社長が年収15億 どこかの生活困窮者は年収300万未満…皆さんどう思うか私に教えてください」
副総理「やはり格差是正は必要だろうな…開きすぎている」
「私も そう思います。しかし生活困窮者を我々は順番に助けています。成功者には その権利もあります」
番場「セーフティーネットだな。弱い者を助ける…高所得者には もう少し税金を納めてもらう方がいいかもしれん。」
「弱い人から税金を取るのは私も反対です…出来れば ある人が負担してもらえると助かりますが 負担率の問題で高所得者は金額ベースでは困窮者の数倍〜数百倍とか税金を納めています。
それでも庶民に叩かれる事もある…これは平等ですか? お嬢様の堀田さんの意見は?」
堀田「う〜ん…親が払ってるだけで私は そこまで意識した事ありません」
チッ と誰かが舌打ちする
「羨ましいセリフ…1度 自分で言ってみたい…」
副総理「今まで何度も議論されているが
金融所得課税の強化…株や投資で出た利益の課税の問題だが これは格差是正問題とセットでよく出るな」
番場「すこぶる評判が悪い…」
堀田「国民に投資を勧めているのに そこを増税するのは おかしいですね…」
番場「いや…一般的な国民は積立投資
新NI◯Aがあるから そこまで影響しないはずだ…金額次第では代わりに社会保険料で 取られる事もあるみたいだが…」
副総理「金融所得課税の強化は庶民に対してのものではない。
ランクを分けるなら貴族 超富裕層 富裕層 上級国民 一般国民 この中の富裕層と上級国民あたりが対象だな…」
「私も副総理と同じ意見ですね…彼らの投資額だと新NI◯Aの枠を遥かに超え課税対象になります。
富裕層 上級国民は経営者などが多い…当然 優秀ですし賢いです。 そもそも彼らは新NI◯Aなどやらなくても20%の税金を払ってない」
副総理「よく勉強したな…馬鹿なのに…」
「1言余計ですが別に彼らは脱税など悪い事などしていません。ちゃんとルール内で賢く運用しているだけです。」
副総理「そうだ…簡単な説明だが例えば1000万YEN分の株を買って持っているとする…それを担保にして銀行で1000万YEN借りる。そうすれば税金が かからない…その代わり安い銀行の金利分を払って賢く節税しているだけ…
合法だ 」
堀田「なるほど~」
「もし金融所得課税強化をしたら未来を予想出来ますか?」
堀田「その場合 銀行に お金を借りる為に
担保にした株にも税金がかかる」
「そうなります。富裕層と上級国民 達の資産形成ポートフォリオの現金は少ないです
借りたお金も会社経営だったり他の事業に回したり色々使ってます…彼らに残るのは株や不動産などです…現金が少ないなら税金を払えないですから足りない税金分の株を売却してお金を作ります。
そのうち今までみたいに株を担保にしても税金かかるし節税出来ないなら株は いらない なんて人も出てくる。
富裕層 上級国民達が株を売ると間違いなく株価暴落が一時的に起きます。
まぁ その売られた株も超富裕層達が買うと思いますが…超富裕層達は株 不動産 金 ダイヤ 絵 など他の現物資産を大量に持ってますから株 1つくらいで びくともしないです」
副総理「まぁそこまでは上級国民から上の問題で一般国民には どうでもいい話だな…だが
富裕層と上級国民が今まで税金の代わりに銀行の金利を払っていた…彼等が銀行にメリットを感じなくなり自分で現金を管理したり株を買っても担保にしてお金を借りなくなったら銀行も大ダメージを負う。全て合わせれば凄い金額だ…その金利分の収入がなくなれば経営が厳しくなる…
結果的に銀行は金利を上げるしか生き残るすべがないとなれば必ず上げる。」
「そこまでくれば一般国民にも影響が出ますね。借金の金利 住宅ローン金利など間違いなく上がります…」
番場「ある意味 富裕層のおかげで一般国民が助かっている面もあると言う事だな」
副総理「まぁ可能性は十分ある話だな…もう少し先もある…金融所得課税強化は緊縮財政だ」
「多分 富裕層や上級国民も今までのように資産運用が上手く出来なくなれば脱落者が増えるかもしれませんね…」
番場「そうなると貴族 超富裕層 最悪は富裕層と上級国民が ほとんどいなくなり皆
一般国民の仲間入りか」
堀田「さらなる超格差社会ですね…」
「まぁ可能性の話です
どこまで行くか分かりませんが格差は さらに開いて行くのは間違いないですね」
副総理「いや…これは確実に富裕層を減らす目的がある…金は権力を生む…権力者は そんなに多くなくていいんだろう…自分の地位を守る為 ライバルを増やさない為…政治家と一緒だよ…馬鹿総理は別として番場と堀田は何故大学に行った?」
番場「優秀だからだ」
堀田「まぁ家柄とか色々ですね…」
副総理「お前等は特種だ…普通は将来の夢を叶える為 目標がある奴とか 他にも まだ働きたくない 学生でいたいって奴もいる…賢い奴は将来の人生設計も考えてる…高卒より大卒の方が生涯賃金が遥かに高い…学歴社会なのを理解して使われる側ではなく使う側 少しでも高い地位につくために行くんだ。
誰でも自分に優位に物事を進めたい…楽して稼ぎたい。 これが普通なんじゃないか?」
「おぉ~ だって人間だもの みたい…ハハハ
まぁ金融所得課税強化すれば こういう未来の可能性が高い…それで庶民の為になる
楽になるなんてあり得ない…富裕層 上級国民を落とし入れたり足を引っ張っても庶民の生活が良くなる事なんてないんです…庶民にとってはメリットよりデメリットが大きい…格差是正は必要かもしれませんが非常に難しい問題です…これは もっと議論が必要なので後回しですね…上を引きずり下ろすじゃなく下を押し上げる策が必要です…」
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