第105話次の一手
総理の支持率は58〜62%を維持している
2036年春
総理は新しい政策など何も打ち出さず
日々の業務と勉強 一部の企業や団体とモニター越しに会議をする…1度で終わらない議題は
自分の考えを全て伝え次回以降 他に引き継ぎ
仲介してもらう。
モニター越しでも2度なるべく会わない。
金と権力には人が集まる。
特定の人物と何度も会わない。
庶民なら いいが 社長 会長 代表 それなりの地位や力を持つ人と繋がる事は避ける。
利権を生み 汚職 癒着 忖度に
繋がった結果 今の国がある事を理解している。
これだけは政治に疎い庶民の頃から そう考えていた。
前職で衆参議員会館 各議員の個室まで何度も数万円の胡蝶蘭を配達して送り主の肩書きを散々見てきた…時には見るからに上級国民が家族総出で議員に挨拶に来ている姿を目撃していた為 徹底して避ける
他にも数人の議員と1人ずつ対談を この間
行った
この日 久しぶりに中田議員が総理のもとを訪れる
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プライベートルーム
中田の隣には平仲秘書が座る
向かい合い 堀田 総理 番場が座る
中田「総理 お久しぶりです。 え〜と…この子が以前 電話で お伝えした平仲です」
「はいはい聞いてますよ。北陸の才女さんですね…中田さんの情報によれば番場さんより優秀だとか…」
番場「なに!中田…貴様 いい度胸だ…直接
私に言ってみろ」
中田「あ〜ヒドいですよ~総理…そんな言い方してないです。」
「ハハハ…そうでしたっけ…」
平仲「始めまして総理…会えて光栄です。
平仲慶子です。」
「始めまして…萩原です。 あ〜私と目を合わせないでください。申し訳ない…いや〜それにしても恐ろしい時代ですね…こんな才女を現場で見つけてくるなんて中田さんは強運の持ち主です…秘書と言わず議員になった方が良いんでは?」
中田「駄目です…僕の秘書ですから」
堀田「総理…この2人 絶対付き合ってますよ」
な…なに〜!
と総理と番場は驚く
堀田「同じ指輪なんてしちゃってます。
あきらかに議員と秘書の距離感だけではない…」
「それは聞いてない…」
中田「アハハ…すいません」
「仕事とプライベートは しっかり分けて下さいね…我々に遊んでいる暇はない」
中田「はい…農地開拓は問題なく進んでます」
「ならいいですが出来るだけ急いで下さい。
本来なら第1の政策を待って次に進むつもりでしたが色々と状況が変わってきました。
私の政権が いつまでもつか わからないので ここから政策を打ちます。」
中田「でも…農地開拓や学校問題で人手が足りないと思います…」
「はい…そこは順番に確実に進めます。その後の政策を先に伝えるだけです…すぐに出来る事は すぐやります 同時進行になるものも出て来ますが すぐに出来ないものは後々です…私の政権内で恐らく間に合わないものは出来れば中田さん達が引き継いでください。
後1ヶ月ほど私は やりたい事があるので そこから動きます。最終的には国営農業が必要になるので お願いしますね…」
中田「大丈夫です…私は必ず大臣になりますから」
「ハハハ…お願いします…それと中田さん…私は確か貴方に総理を目指せと言いましたが
段階を踏んでステップアップはいいですが本来の目的を見失わないように!大臣や総理になる事を目指すだけでは駄目です…大切なのは大臣になって総理になって何をするか ですよ…」
中田「わかってます。私が将来この国を守ります。」
「ハハハ…じゃあ中田さん と平仲さん 宜しくお願いします。」
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そこから1ヶ月 国民との対話を1日1組から5組〜10組に増やし 国民の反応を試す。もし こうなら どう思うか どんな意見が出るか 自分に説明出来るか 説得出来るか 自分でも正しいのか不安な面もある為 色々会話に織り交ぜながら探る…いつ打ち出すかのタイミングも探る…かつての自分が そうだったように国民の中には難しいから理解出来てないが人気が高い…知名度がある…この人が言うなら多分正しいのだろうと自分で考えずに判断する人も多い事を知っている。ならば支持率が高い時に打ち出せば自分の政権維持に繋がると分かっているが それが正しい事なのかも悩んでる…
一方で冷静に自分を俯瞰して見ている自分もいる… 答えは自分の中にある…自信がほしいだけ…政策も やり方次第で結果は変わる…悩んでも仕方ない…自分の想いや信念を貫くかどうか…人の悩みなんて そんなもの…やって成功するか失敗するか やらずに後悔するか
の3択なら自分は やる と決意するだけだ。
但し それが許されるのは自分だけの問題の場合で国の未来が かかる立場だから1ヶ月悩み続けた
………………………………………………………
1ヶ月後 国会
「議員の皆さん 中継を見ている国民の皆さん 今日は新しい政策を発表します。細かな政策は沢山あるので順番に発表しようと思ってましたが そちらは次の機会にまわします。
私の気持ちが変わりましたので予定変更で先に
大きな政策からいきます。
残念ながら減税ではないです
すでに全国の最低賃金均一化と引き上げをしましたが さらに国民全体の実質賃金平均値を引き上げます。」
議員の1人が質問する
「実質賃金を上げるのは企業 会社側で政府が出来るのは最低賃金の引き上げ もしくは減税するしか方法は ないと思います」
「ハハハ…私も そう思います…今回言っているのは全体の平均値で全員ではない…」
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