第100話一期一会

桜井と間宮が驚く


桜井「ちょっと待て」


桜井が中田と一度席を外しテントから出る


間宮「ちょっと ここで待っててね。お嬢さん…フフフ」


遅れて間宮も2人に合流


中田「なんですか?」


桜井「なんですか じゃない! 初対面で相手の素性もわからない」


間宮「そうです…ついさっき会ったばかり…自分の秘書3人いるでしょ」


中田「はい…でも連れてきていません。私の議員室で事務作業してますね。

皆さん女性ですし私より年上ですし家庭もある。作業に参加させる事もないですし移動や宿泊費も税金なので無理に連れて来る必要ないかと思って…」


間宮「最低でも1人は今後連れてきて下さい…」


中田「はい…今後 彼女を連れていきます」


桜井「いやいや…身元もわからない田舎の派遣労働者だぞ」


中田「そんな差別的発言は駄目です!

身元も今聞いているじゃないですか」


桜井「あぁ…すまん…ただ もっと冷静に判断しろ。」


間宮「そうです。彼女を雇うという事は彼女の給料も税金になります。それに まだ名前も年齢も聞いてないじゃないですか」


中田「はっ…そうでした。すいません…しかし私は譲りません。総理にお願いします。

私は将来 大臣になる…いずれ外務大臣になるかもしれません…簡単な英語しか出来ない私には彼女の様な秘書が必要です。そして桜井さんも間宮さんも その秘書達も何カ国語も話せる人いないじゃないですか…我々は全国の国営農業地を周る…外国人労働者と直接話す事もあるかもしれません…毎回現地の通訳を通すより直接 伝えたい事も彼女がいれば 手っ取り早いです。 」


間宮「う〜ん…一理あるかも?」


桜井「いや…別に彼女じゃなきゃ駄目な訳ではない…他を探せばいいだけ」


中田「でも いちいち面接でもするんですか?

この政策は少しでも早く終わらせなければならない…現地調達でもいいじゃないですか」


桜井「う〜ん…もっと慎重に人選した方が いいような気がするが…何か決め手があるのか?」


中田「真面目に働いてたじゃないですか…我々なんかより遥かに安い給料ですよ…悪い人にも見えないですし インスピレーションに従うのも アリかな〜っと思って…幼い頃観たTVドラマで

  明日やろうは馬鹿野郎 

って言ってました。どんなドラマだったか全く覚えてませんが そのセリフだけ僕は覚えてます。幼いなりに感銘を受けたからだと思います。 思ったらすぐ動いた方がいい…1度の人生後悔なく全部やりきったと思えるように…

善を急げ ってね」


桜井「お前の場合それは好きな女性に たいしてだけかもしれん」


中田「ヒドい…」


間宮「う〜ん…まぁ…私は別に どちらでも いいかな? 私の秘書じゃないですし」


桜井「何!…う〜ん…一応もう少し素性を探れよ。そもそも受けるかも彼女次第だから断わられるかもしれん」


中田「じゃあ2人共オッケーと言う事で…

もう邪魔しないでくださいよ」


桜井「邪魔とはなんだ!」


間宮「まぁまぁ」


テントに戻る


中田「お待たせしてすいません…どうでしょう…私の秘書になってくれませんか?」


女性「う〜ん…ちょっと急すぎて…それに私

 土木の知識が何もないです…」


中田「えっ…土木ですか?」


女性「はい…通訳で来てるだけなので社長さんの仕事内容は 分かりません」


中田「あ〜ハハハ…そう言う事ですか…私は土木関係者ではないです…責任者って言うのは国の です。 私は国会議員の中田です。」


女性「えっ? 国会議員? 政治家って事ですか?」


中田「はい…一応…ハハハ」


女性「それなら なおさら知識がありません。

あっ! さっきの二重派遣の件は聞かなかった事にしてください。 誰かに恨まれそうです。」


中田「ハハハ…う〜ん?どうしようかな~ 

なんて…今はそんな些細な問題どうでもいいです。

それに私は裁く側ではなく法を作る側の人間ですよ 

あっ…ちょっとカッコイイですか?

今のセリフ…ハハハ」


桜井「実際 何も作ってないがな…」


中田「いちいち会話に入ってこないでくださいよ」


女性「う〜ん…でも私には無理そうなので辞めておきます」


中田「ゲッ…待ってください。

さっきアウトドア派って言ってましたね。

私の秘書になれば少なくとも2〜3年は全国各地を一緒に周れますよ…貴女には各地の現場で私の通訳兼秘書として同行してほしいです…」


女性「う〜ん…通訳は出来ますが秘書と言われても何も わからないので…」


中田「他にも秘書はいます。基本 貴女は通訳です。600です」


女性「うぇ…600万って事ですか?」


中田「そうです…通訳として私についてくれば…もし貴女が他にも秘書としての業務を覚えて今後頑張ってもらえるなら最大1000万も行ける お仕事です。但し…普通の仕事ではない…実働8時間なんて事にはならない…緊急時には休みもなくなる事もあるかもしれません。しかし自分で起業でもしない限り失礼ですが今の貴女には稼げる金額ではないと思います。

どうでしょうか?」


女性「その話…のります…やってみて無理そうなら辞めます…」


中田「そうですか…良かった。なら私は買います。ハハハ…交渉成立でいいですね?」


女性「はい…私は現金な女です…ふふふ」


中田「よし! では 名前教えてもらっていいですか?」


女性「はい…平仲 慶子です

年齢は27歳 です」


中田「平仲さんですね では連絡先だけ教えてもらって後日こちらから連絡します。忙しい所ありがとうございました。

後は私の秘書になるので今後は しっかりメイクと外回りの時はオフィスカジュアルで構いませんがスーツも準備しておいてくださいね

私の事は先生って呼んでください。ハハハ」



新たな秘書を増やした中田 

彼女を連れ桜井 間宮達と共に全国各地を周っていく

元々勉強好きで地頭が良い彼女は メキメキと成長して今後 中田を支える立派な秘書に あっという間になっていく。

そして素朴に見えていたが非常に化粧映えする女性であった為 身なりを整えると秘書という職業がとても しっくりくる仕上がりであった


(国会議員政策担当秘書試験は、国家公務員I種試験と同等以上のレベルとされていて、非常に難しい試験です。 選考採用審査認定を受けるためには、司法試験合格者であるか、または10年以上公設秘書として働いた経験と国会議員政策担当秘書研修の修了、などの一定の条件を満たすことで、選考採用審査認定委員会から認定を受けることができます。)


中田は全国を周りながら元人気アナウンサーの滝沢と連絡を取り合っていたが自分自身が忙しい事もあるが ある時から全く返信がなくなり自分が ふられた と考えていた…

しかし滝沢にも一ノ瀬派との繋がりが ある事を確認した平和組のメンバーが裏で動き阻止していた為 事なきを得る

こうして中田議員に近づこうする一ノ瀬派の動きを読んでいた佐藤副総理の勝利


中田議員は偶然の出会いから自分より遥かに優秀な秘書を仲間に引き入れた

出会いは一期一会









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