第73話go back to the data
引き続き三者会談
中田「総理…一つ質問よろしいですか?」
「何でしょうか?」
中田「そんなに予算があるなら何故 すぐに減税しないんですか?
国民は苦しい生活をしてます…
私ならば
最初に減税から始めてました…
もしくは路上生活者救出と同時進行が
ベスト…今すぐにでもやるべき だと思います」
佐藤「ふぅ〜 やはり まだ若いな…世の中そんなに単純ではない…キ◯レツ大百科も知らない世代か…」
中田「えっ…なんですか?」
佐藤「いや…個人的に好きだっただけだ…特に意味はない…なあ総理?」
「そんなアニメ知らないナリ…」
佐藤「がっつり観てたな…
今はブ◯ゴ◯ラなんてアダ名 TVでは厳しいか…」
「中田さん…私は下から救うと最初に言いました。国には勿論 借金もありますが お金もあります…まだ国民の皆さんに私は増税はしない と言いましたが減税しますなんて言ってないですよ…」
中田「えっ…減税する気がないという事ですか?」
「ハハハ…減税はします…この国は税金と社会保険料が分かれますが世界には国民負担率が90%の国もあります…数字だけ見れば決して高い訳ではない…しかし国民の幸福度ランキングでは40〜70位 国民負担率が高い国にも負けてます…幸福度は先進国の中では最低水準…
他国に比べれば平和で安全な国なのに…世界的な視野で見ると文化や宗教の違い様々な理由はありますが手で食べる人口は全人類の4割
住む家を持たない人は10億人…全世界人口では8人に1人は自宅すらない方々です…
本来 幸福度ランキングが40位でも低いです…平和で安全…綺麗な水 美味しい食べ物…路上生活者だった方々の失われた衣食住や職も我々と国民の皆さんの力で なんとか最低水準の生活が出来るまで回復しました…では何故こんなにランキングが低いのか…何かを間違えてるからです…
一つは経済成長していない事…
そして税金…他国を見習って導入してますが名前だけ見習ってるだけで中身は間違えてる…正確にはワザと間違えてる…一部の人間だけが潤う税制と言う事です…私が子供だった頃は ここまで酷くは なかった…
私は急ぐべき事と時間をかけて確実に実行する事を分けて考えてます。
まずは命を救う…次は困っている人を順番に助ける…最終的には健全な国に戻す事。
もう十分便利な世の中です…これ以上の進化を急ぐ必要はない…この国の文化や道徳 これ以上大切な物を失わない為に少し時間を戻す事を目指してます…伝統工芸の担い手不足 こんなに素晴らしい技術やブランド力を失うのは私より今までの政治家が馬鹿だと思います…私が数年ぶりに田舎に帰省した時 早朝に小学生とすれ違い その時に子供達が大きな声で おはようございます と挨拶してくれました…凄く嬉しかった…都会で何年も生活していると そんな些細な事 昔 自分が当たり前にしていた事ですら忘れてました…犯罪も かつてより 増えてますから名札に名前と住所まで書いていた時代まで戻そうとは言いませんが 凄く良い時代が この国にはあったと思います…そこまで時間を巻き戻す…これが私の一つの目標です! その為には減税は必要…しかし一気には戻せないので減税とは謳いません…時間を遡る…まずはステルス増税を国が散々続けて来たんですからステルス減税…分かりにくい減税をして行きます。」
中田「ステルス減税ですか?」
「今回の学校問題も その一つです…先生の負担を減らす事を目的として始めましたが高校生までの義務教育化 授業料負担軽減と給食の無償化…子育て現役世代の方々には減税効果があります…私が就任して10ヶ月経って初めてのステルス減税政策です…困っている所から徐々に助けて行きます。
他も困っている事は承知してますが全てやり切る為には お金は必要なので減税も まだしてないだけですよ…いずれは皆さんが助かる減税をします。」
中田「では どれくらい時代が戻る事が目的なんでしょうか?
具体的な目安とか?」
「ハハハ…完全に戻す訳ではないですよ…まあ ざっくりですが女性が仕事か子育てを選べる…後は60歳で定年退職…高齢者が働いても余生を ゆっくり過ごしても 大丈夫なくらいですね…国民の皆さんの一人一人の判断で選べる人生 …選択肢を増やしてあげる国を目指してます。
この国の皆さんは これくらいが幸せを感じられる ちょうどいい所だと私は思ってます。 大成功でも失敗でもない 安定した暮らしで幸福度がある…自分の人生は幸せだったと死ぬ時に思える国です…それを感じる為には我々が選択権を どれだけ準備出来るか次第です…食事みたいな物ですよ…毎日 大手企業の弁当や全国同じ味の飲食店で食べるより初めて入る小さな飲食店が沢山あった方が楽しめる…当たり外れあるのは当たり前ですが 当たりの店を見つけた喜び…外れを引いた時も 悔しいですが それも一つの思い出になったり笑い話になったりします。 まあ個人店が沢山あった方がいい…田舎の駅前商店街は9割が閉店してますが全て営業していれば大手ショッピングモールなんて なくても生活出来る…焼き鳥 コロッケ 駄菓子食べて洋服や玩具やゲームも買えた…映画館もあり町の銭湯もあった…義理人情なんてのは古い考えかも知れませんが素敵な文化です…町には活気があり笑顔が溢れ 中には頑固オヤジの店があったり最高な時代だと思います…」
佐藤副総理「なるほどな…それが正しいかは 分からんが 確かに皆もっと助け合って生きていた時代だったとは思う」
「はい…私が この国の時間を40〜50年巻き戻します」
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