第70話縁の下の力持ち

副総理公邸


対談を終えた佐藤副総理のスマホが鳴る


佐藤「おう…どうした総理?」


「お疲れ様です。ちょっと私の公邸に来てもらえますか? 貴方に会いたい議員さんが

ここにいるんですけど1人じゃ 嫌だって

駄々こねてるんです…ほら 副総理 怖いイメージあるじゃないですか…ハハハ」


佐藤「あ〜ん…誰だ そいつは?

俺を呼び出すとはイイ度胸してるじゃねえか」


「そうなんですよ~ 私もパワハラの被害を

受けました…ハハハ」


佐藤「面白え~今から行くよ」


「お願いしま〜す…」


電話を終えた佐藤副総理が すぐに総理公邸ヘ向かう

副総理公邸から総理公邸までの徒歩での道のりで松本秘書と話す佐藤副総理


佐藤「おい松本…一ノ瀬と未だにアイツから離れてないコバンザメ議員から目を離すなよ」


松本「はい…しかし副総理…元平和組の議員に見張ってもらうのはマズいと思いますが…総理は政党派閥を認めてない」


佐藤「別に もう政党じゃない…個人的に協力してもらうだけだ…人が3人集まれば

派閥が出来てしまう…

解散したところでグループ 集団と呼び名が変わるだけで意味がない…まぁ政党助成金が なくなったのは意味があるがな 」


松本「それでも総理は嫌がると思いますが…」


佐藤「だろうな…だが一ノ瀬を慕う議員も確実にいる…利権 私利私欲…また自由党を復活させて貴族を続けたい奴らがな…ただでさえ外交メインで時間がない俺1人では戦えない」


松本「それなら総理に相談すれば いいじゃないですか?

総理なら簡単に一掃できるはずです 」


佐藤「まあな…だが第1の政策は大手企業の力が必要…一ノ瀬を敵にまわすと企業も敵になる可能性が高い…まだダメだ…俺1人では一ノ瀬には勝てない…だから邪魔だけは させないよう時間を稼ぐしかない…」


松本「副総理…私は ずっと貴方の側で秘書を やらせていただいてますが 変わりましたね。

国民を助ける為に総理になるんだ! と言っていた貴方が まさか裏方 汚れ役 を引き受けるとは…そんなに総理の事 気にいったんですか? 私は正直 貴方が総理になって欲しかったです」


佐藤「なんだ…俺の事が好きなのか?」


松本「まったく…人としては尊敬しています」


佐藤「確かに俺も総理になる事を目標に今まで頑張ってきたが別に誰が この国と

国民を救っても いいじゃねえか…人には役割があるんだ…あの馬鹿総理には こんな役は出来ねえから俺が やるんだよ」


松本「ふぅ〜

その毒舌キャラを もう少し抑えていれば

今頃総理の可能性もあったのに…貴方なら 演じられたはずなのに…」


佐藤「縁の下の力持ち…

影の内閣大黒柱ってのもカッコいいじゃねぇか…俺にしか出来ねえからな

実際 馬鹿総理より俺の方がカッコいいがな」


松本「いや…顔は負けてます。」


佐藤「お前は まだ大人の魅力ってのが分かってない…ゴレンジャーでもレッドよりブルーが好きな奴がいるんだよ」


松本「私はレッド派です」


佐藤「お前はつまんね〜女だ

王道すぎる」


松本「副総理は残念ですが容姿はレッドでもブルーでもない 良くてイエロー止まりです…中身はレッドの素質があると思いますが…」


佐藤「それは いつの時代のイエローだ?

カレー大好き ちょっとポッチャリイエローの事か? 差別するな…イエローも正義の味方だ…そして

褒めるか けなすか どっちかにしてくれ…疲れるわ。 まぁ馬鹿総理はレッドかもな…いや…もしかしたらレインボーになれるかも知れないな…今までに いないタイプの政治家なのは間違いない…面白れえ~から いいじゃねえか。ガッハッハ 」


松本「まぁ副総理が楽しいなら いいです…以前は もっと気を張って いつもイライラしてました…最近 よく笑うようになりましたよ…」


佐藤「そうか? 自分より馬鹿が総理になったからかもな… 」


話してる間に総理公邸に到着する


松本「私は戻りますね…ただでさえ忙しいのに見張りだの元平和組議員との やり取りなど余計な仕事が増えてますから…もう少し秘書 増やして下さいね…」


佐藤「へいへい…いつもありがとよ

じゃあ行ってくる…頼んだぞ」


…………………………………………………


総理公邸プライベートルーム


佐藤副総理が到着


佐藤「お〜す総理…誰だあ〜?

この俺様を召喚したやつは?」


「あ〜ありがとうございます…彼です」


中田議員を紹介する

中田議員は長時間 眼鏡をかけ続けると気持ち悪くなるので 外している

その為 近くで初めて見る副総理にオドオドとしている


「副総理にお願いが あるようですよ…

いや〜副総理にビビっちゃって 困ったもんですよ~ハハハ」


堀田と番場が部屋の隅に移動して2人だけが聞こえる声で

やり取りしている

番場(なんだか総理さっきより元気になってないか?)

堀田(あれは仕方ないんですよ番場さん…

さっき中田議員に視線合わせられて追い詰められたから自分は副総理と こんなに堂々と話せるんだぞ…凄いだろってマウント取りに行ってるんですよ…男って いつまでも

子供なんです…そう言う生き物なんですよ…)

番場(それは復讐と言う事か? 情けない行為だと思うが…)

堀田(………………)


中田議員は総理の隣の席に移動して

副総理と向き合う形で 三者会談が開始する




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