第64話輸出大国

堀田が復帰後も3日間国会で追及され続ける総理…

しかし きりがないので3日目で諦めた

国会中モニター越しに ついにキレる

机を叩き

「何度も何度も謝りました…いい加減にしましょう…こう言う事が原因で大切な命が失われたと説明しました…国民も政治家も一緒…こんな国民性なら1度滅んだ方がいいのかも知れませんね…ふぅ〜

ならば仕方ない…強制終了しかない…」


ここから口調を変え強める


「人が下手に出てやってるのに いつまでも グチグチ ウジウジ 陰湿なクソ政治家共が…少し勘違いしてるみたいだから教えてやるよ…この温室育ちの世間知らずの 坊ちゃん嬢ちゃんの馬鹿共が…」


番場は すでに頭を抱えている

普段は総理よりも忙しい佐藤副総理も今日は国会 政治家側で出席している

佐藤副総理だけは ニヤニヤと笑っている

他の政治家達は1度も観たことのない雰囲気の総理に驚き始めている

普段とは違う眉間に深いシワをよせ

鋭い目つきになる


「こっちが普段からヘラヘラ ニコニコしてやってるのに調子に乗りやがって…俺が 何でも出来る事を忘れてるのか…その気になれば3ヶ月 暴れ狂う王になれる事を…さあ どうする?次 発言したい奴は手を上げる事を許可する…さあさあどうした…さっきの威勢は…このまま何日も無駄な討論をするか第1の政策と学校問題を進めるのか どちらでも聞こう…好きな方を選べばいい…2択だ…間違えれば 明日から無職だ…好きなだけ旅行でも楽しめばいい…」


一瞬で静かになる…誰も挙手しなくなってしまい やむを得ず佐藤副総理が手を上げる


「あ〜副総理いたんですね…少し落ちつきました。 ありがとうございます…発言どうぞ」


佐藤「総理…第1の政策 農業の活性化ですが 農地開拓が必要です…以前 中田議員の案で 持ち主不明の土地の開拓も始まってます…現在 農業希望者も順調に増加しています。もちろん南海地震の備えとして自給率を上げる事と過疎化問題や首都に集中した人口の分散を目的としていますが 今まさに転換期になるチャンスかも知れません」


「ほうほう…転換期ですか…何か良いプランあるなら聞かせて下さい」


佐藤「はい…この国の今までの増税政策の責任ですが路上生活者だった方々の失業者が沢山いらっしゃいます。農業を始める方へのスタートアップ支援も進んでいますが自分で起業するのが不安と言う方も沢山いらっしゃいます…そう言った方々には国営農業で働いていただくというのはどうでしょうか? 定義としては社会主義国家が行う農業ですが起業するよりは不安は少ないと思います」


「なるほど~ですが 自分で農業を始める方の邪魔になりませんか?」


佐藤「はい…起業する方には もちろん支援をする…野菜でも米でも作っていただく…

国営は米だけを作ります。」


「それでも米農家さんの邪魔になりませんか?」


佐藤「はい…なので米に関しては国でも作りますが米農家さんの米も国で1度買い取る。

そうすれば邪魔にはならない…

この30年で米農家も半減しているので そのまま放置されてる土地を買い取り手直しして米を作ります。」


「ハハハ…そんなに米ばかり作っても…

まぁ我々の主食ですから 無いよりは いいですが…」


佐藤「余るほど作ります。この国の米は海外で人気が高い…他国の米よりも高く取り引きされています…この国は土地が狭く大規模農地は あまり作れません…ただ米を作るには海洋性気候で適してるから美味しい…農家は減少していますが年々 米の輸出は増えています…インターネット業界などでは他国と大差をつけられ追いつく事も出来ていない…しかしアニメ業界は世界を席巻している… 米も よりブランド力を上げ

世界ナンバーワンシェアを目指しましょう…そして綺麗な水も輸出する…食に関しては他国に負けない…フルーツも美味しい…ビニールハウスの技術も高い…この国は少子化が進んでますが世界的人口は増え続けて いつかは世界的な食料不足になると言われてます…どうせ農業を始めるなら

この国を食の輸出大国にしましょう」


「ほ〜う 確かに目標は高く設定した方が良い…安売り合戦では生き残るのは大変ですしブランド力を高めて行く方針ならば賛成します…」


佐藤「では国家プロジェクトとして大々的に推進していきましょう総理」


「あ〜最初は それでいいですが上手く行かなければ国営のまま 成功して軌道に乗るならば 民営化にしましょう…国は税金があるんですから苦しい思いをして来た国民が1人でも豊かになった方が良い…私は農業詳しくないですが今や スマート農業 AIやドローンなど利用して肉体労働軽減されてるようなので担い手不足の業界ですが 出来そうな気がして来ましたよ

では頑張って成功させましょう。

宜しくね〜中田議員…貴方がリーダーです」


中田議員は嫌な予感がしたのか うつ向き存在感を消していたが しっかり見つけていた


中田「待ってください~総理〜」


「宜しくね〜では またね~ハハハ」


…………………………………………………


プライベートルーム国会終了後すぐ副総理が訪れる

部屋に入ってすぐ

佐藤副総理「お前は何を考えてる!」


その場にいる番場も合いの手を入れる

番場「そうだ…ただでさえ…」


話し出す番場を さえぎり佐藤副総理が

「最高だったぜ総理」

2人でハイタッチを交わす


番場は 思い出す…佐藤が過去幾度となく国会を暴言で荒らしていた頃の事を…


佐藤「いや〜まるで自分を見てるようだったぜ~ガッハッハ」


番場「最悪だ…一瞬でも コイツが総理に説教すると思った自分を恥じる」


堀田は4人分の飲料を用意する…

総理 コーヒー牛乳 佐藤 コーヒー

番場 お茶 自分は水 皆 誰かに合わせる気が全くない…自我が強いのか協調性に欠けてるのか日々ウザいと思っているが立場上 我慢はしている…


佐藤「いや〜最高だったが さすがに次回の支持率はマズいかも しれんぞ 総理」


番場「暴言…災害対策本部…再び暴言…

国会中継中に総理がキレる…また

1面トップ記事だ…」


堀田「さすがにマズいですね…」


「ハハハ 終わった事 謝ったことを いつまでも話してたら政策進みませんよ…大丈夫です…30%以下が3ヶ月続けば辞任なんですから まだ余裕があります…」


番場「甘い考えだ…1度そこまで落ちたら復活は無理だ…」


「いや…大丈夫です…そこまで落ちません。

第1の政策は順調に進んでます…そして今回学校問題の政策を打ちました…給食と授業の無償化 子育て世代の票が入ります。

規模は違いますが市長が見事に子育て政策で市を復興させた実例もあります…

市長に出来て総理に出来ないはずがない!

失われた40年を取り戻すには倍の時間がかかると言う人もいますが そんな悠長な事

言ってられません。その計算だと私は125歳になってますよ…ハハハ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る