第33話実行力

佐藤議員「では総理は私の理論とは違うという事ですか? ならば我々は 反りが合わないかも知れないですね」


「かも知れませんね その方が いいかも知れませんよ

全く同じ考えの人だと ぶつからないですが 良い意見が出ない可能性もありますからね! 別に仲良くなりたくて アナタを任命した訳ではないので ハハハ」


佐藤議員「ワハハハ 総理…所信表明演説の時 私は正直 こんなナヨナヨした奴に 任せられるか!!って思ってましたよ

ワハハハ 意外と ハッキリ言ってくるんで少し安心しました!少しですが…」


「ありがとうございます ハハハ

ここは本音で話しないと せっかく直接会ってるんですから

腹の探り合いしてる場合ではないですからね~ ハハハ」


佐藤議員「いや〜総理が いいのなら普通に話しますね」


「全然構いませんよ

私も普通に切り替えますね」


笑顔を作っていた佐藤議員が急激に真顔になり口調も変わる


佐藤議員「あんたなんかに出来んの?

やっと平和組30人まで増えて総理になれる可能性出てきたと思ってたのによ〜

無理矢理解散させられて コッチは頭にきてんだよ~

何考えてんだ アンタ!」


「 あ〜やっぱり怒ってましたか? ハハハ〜!副総理にしてあげたんだから

別によくね~」


番場 堀田は かなり驚いている

2人には こんな口調で話す事はないからだ


佐藤議員「テメェ〜ナメてんのか」


「イヤイヤそっちから喧嘩うってきてんじゃん

一応コッチが年1つ上で しかも総理!お前は敬語使えやバカが!」


佐藤議員「テメェ〜俺をバカだと〜バカはお前だろうが〜」


「イヤイヤお前高校中退で中卒だろ?

絶対お前の方がバカだ…あわれむ〜それに元芸能人って言っても主演はれる様なツラしてない…名脇役が限界で辞めてきたんだろうが! お前よりは俺の方が顔も良い

何 少し知性派 路線に切り替えようと してんの?無理無理!バカがにじみ出てる」


佐藤議員「われぇ〜コ◯スぞ~」

机を両手で叩き立ち上がる


「あ〜ん! オレが法律だ

総理に歯向かった罪で返り討ちにしてやるよ!!」


佐藤議員「……なんだ〜そのアホ丸出しの罪は〜クソバカな総理だ!!」


「お前はバカなんだから黙ってオレに従えよ!」


ここで ようやく佐藤議員が止まる

「フハハハ!アンタおもしれ〜よ

少し話は聞いてやるよ」と座る


まるでアニメやドラマで喧嘩してから仲間になるような展開……

現実では なかなか そうは ならない…

本当は コイツは腹を割ってない…

総理に歯向かった罪 と言った後 一瞬 口元が 緩んでいたのを こちらもチェックしていた

恐らく少しだけ面白かったのだろう

つまり コイツは半分本気で半分パフォーマンスでワザと怒ってる演技をしていた

こちらの反応を探りたかった?

すぐにビビる奴なのか?演技派俳優でもあったからだろうか? 人を試すのが好きなだけかも知れない

1つ言えるのはコイツは ただのバカではない 勉強嫌いだったのか

学生の頃から芸能界に入って忙しく時間がなかったのか 本当は やればできる子だったのかも知れない

真意までは 分からないが コチラと同様に何かしらの戦略があるのだろう


「あ〜そちらが 落ち着いたなら コチラも ちゃんと話しますよ

ふぅ〜どこまで話したか忘れましたね! ハハハ

あ〜そうだ!さっきのランキングですが なんとなく理解出来ます

アナタは一方ではヒーローで

一方ではヒールって感じしますから」


佐藤議員「あ〜ん! どういう意味だ」


「まあ〜言葉遣いが荒い MMT理論

この2つは反対勢力が多い

特に高齢者には!

一方で若者からは与党の自由党を叩く姿がヒーローに見えるからでしょうね

芸能人の頃は人気はともかく知名度は かなり高かったと思います

もしアナタが自由党議員なら もしかしたら今頃 閣僚になってても不思議ではない… 」


佐藤議員「お前には関係ないだろ」


「アナタを任命するのは私にとってリスクがとても高い…

政界でも煙たがられて危険視されてるアナタを…先ほど消去法とは言いましたが自由党と戦う為に様々な分野を ちゃんと勉強して挑み続ける姿が他の議員より私には尊敬出来ました

そして外交と言う未知の分野でも絶対アナタは勉強して頑張ってくれると思ったからです」


佐藤議員は何も言わないで コチラの話を静かに聞いていた


「私が上京した年に アナタは芸能界から政界入りしました

錦来町の駅前で実は見かけた事があります…私に とっては初めて見た芸能人でした…マイクも車も支援者も1人もいなくノボリ旗1つで 必死に汗だくで通行人に何かを訴えかけてました…芸能人なのに通行人は何も気にせず ただ すり抜けて誰も立ち止まる事すらしない姿を遠くから ずっと見てました…そんな人が今30人の代表にまで私が知らない間になっていたんです

アナタには そういう力が ある

どうか私に力を貸してください」


深々とお辞儀をする

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