第13話放送開始

カウントが始まる


堀田「5・4・3・・・・」



「え〜と皆さん、 おはようございます

そして初めまして この度 総理に選ばれました萩原タカシです

私が110代目らしいです」


すぐに手書きのカンペが出た!


番場 (らしいは いらない…)


「エッ〜とですね~ 一応文章作ってくれたんですけど〜」


番場(え〜と は禁止 語尾 伸ばさない

余計な事言わない)


「国難を皆さんと乗り越えて〜、新しい時代を切り拓き〜心豊かな日本を次の世代に引き継ぐために〜全身全霊を捧げる覚悟です。そして国民の為に〜って感じですね…ハハハ」


番場(伸ばさない…笑わない…次は ない)


「まあ決意表明ですよね

スポーツマンシップにのっとり とかの…へへへ」


番場(笑わない…次は本当にない)


「せっかく作ってもらったのに全然うまく読めなくて〜」


番場(キサマは コ・◯・ス)


カンペで冷や汗をかく…


「今 大変な事になってるんですけど〜

あ〜独り言なんで気にしないでください」


番場(必ず…絶対に…確実に…コ◯ス)


「で…ですねー まず最初に皆さんに謝りたいと思いました

私なんかが選ばれてしまって本当にすいません」


ここは しっかりと頭を下げる

番場秘書は怒りながら すでに諦めてカンペを止めた


「もうSNSに色々 上がってるみたいですから知ってる方も多いと思いますし、事実と嘘が 入り乱れてますが まあ勉強出来ないのは間違いありません…こんな私に総理なんて勤まるはずないと最初断ってましたが なんかダメらしいんですよね

多分3ヶ月後には新しい総理に引き継がれる と思いますので…ハハハ! 」

「で…私はですね~

ほんの10日前までただの配達員でした…皆さんの会社や自宅に お届け した事あるかもしれません…気楽にマイペースに目標を 掲げる事もなく ただ毎日を生きて来ました

ただ… もし…1つだけ自分が誇れるものが あるとするなら 勉強も出来ない目標もない… こんな私でも仕事だけは誰よりも真面目に働いてきたつもりです

様々な仕事やってきましたが どんな仕事でも自分の出来る限りは 尽くしてきました」

「だから今回も!自分の精一杯を出して頑張ります 色々 ご意見あると思います

それでも頑張るので どうか しばらくの間 応援宜しくお願い致します」


深々とお辞儀をする


「で…続けさせて もらいますが、一応カンペあったんですけど うまく読めないのも そうなんですが〜なんか国民が とか国民の為とか 自分も普通の国民で一般市民なんで

しっくり来なくって…へへへ」

「あと〜私 この言葉あんまり好きじゃなくて…世のため人の為 国民の為とか なんか苦手なんですよね…信じられない と言うか 恩着せがましい と言うか…もちろん全てではないですけど…本当に親切にしてくれた方もいますし ただ 裏切られた事もあります! それに〜なんて言えばいいかぁ〜自分が人に親切な事したら相手は感謝してくれるじゃないですか

それで自分も気持ちよくなれるから お互い様じゃないですか?

わざわざ アナタの為に とか言われちゃったら もしそれで相手が助かったとしても 私の おかげなんだから感謝してって強要してるみたいな気がして…ハハハ」

「だから私は国民の為皆さんの為とか言いません!自分の為だと思って頑張ります」


話終えた途端に あたふた としだす


「あっ…なんか一方的に話しちゃって すいません

あっ…そうか演説か…あっ…表明でしたっけ?えっ?一緒?あ〜緊張してきた…えっ?あれ? と、とりあえずCMで お願いします!えっ?CMないの? と、とりあえず以上です! ご、ご静粛に聞いてくださってありがとうございました…!…… またお会いしましょう!」


秘書2人は 1人は 呆れ顔 1人は ご立腹な顔で いったん撮影を切った…

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