第12話初代抽選総理誕生
コツコツ コツコツ
ヒールで歩く音が静かな廊下に 鳴り響く!
総理入られます!
声が静かな部屋の入口から聞こえる
総理入られました!
…………カシャーカシャー ………
カメラのフラッシュが辺りを照ら…さない!
………「あの〜 〜
何がしたいのですか?」私が尋ねてみる
ヒールの音は番場秘書
私を先導していた
入られます の声は堀田秘書
番場「いや…私は別に何も…堀田が …」
堀田「いや…私も別に…普通の総理なら 官邸や議事堂で こんな感じだったのかな~っと思って……別に やってみたかったとか ではないです…雰囲気作りです…」
少しだけ顔が赤い…
面白そうなので もう少し尋ねてみる
えっ…
「そういうのに憧れてた とかですか?
なんだ〜それなら そう言ってくれれば 私も 一肌脱いで 少しだけでも記者入れても よかったかも知れないのに〜」
番場「堀田を からかうのは そこまでに しましょう
もう 真っ赤じゃないですか…」
という番場も少しだけ赤い……
言い争う2人…
日が経つにつれて2人の微妙な変化にも気付けるようになっていた
ズボラな私は自室から ほぼ出ない…食事も自室に夜1食だけ運んでもらう
公邸料理人にすら会ったこともない…
後は会議室 自室 風呂 トイレ 公邸の全貌を全く把握してないので簡単に迷子になるだろう…緊急時の脱出ルートも人に任せっきり…警備は完璧 まず間違いない
初めて入る部屋…
実際は我々3人しかいない…
シンプルに固定カメラ5台 角度に変化をつけて設置。
プロンプター (政治家の会見、講演、コンサート、動画撮影など幅広い場面で用いられる、原稿や台詞をモニターに電子的に表示する装置のこと)いわゆる「カンペ」
視線を下げる事なく演説出来る
2035年1月19日午前8時 総理所信表明演説
生配信開始 予定
現在時刻午前7時 配信1時間前に一斉にメディアへの総理情報解禁
直ぐ様 各メディアが放送開始する
SNS等で すぐ実家や学歴など個人情報が 飛び交う
ーー世間が ざわめいてる頃ーー
演説までの全ての準備を終える…私以外は…
いつもは寝グセの まま ヒゲも3日〜1週間くらい 放置…しかし今日ばかりは 身なりを整えてある
(何年ぶりにスーツを着て髪をセットしただろうか…かたっ苦しくて好きではないが
たまには いいかも )
番場「残り時間は練習のみ いきますよ」
「 このたび、私は、第百十代内閣総理大臣を拝命いたしました。 」
「はい!私に続いて!」
音読させられてる私…
「こ…この度、わ私は…第百〜」
番場「ちが〜う 前しっかり見て オドオドしない!ハッキリ滑舌良く!」
(し…しまった…普通に会話出来るから油断してた…総理が目を合わせるのが苦手なのは 最初から すぐに気付いてた
こちらが目を見ると1秒も 保たずに視線を逸らしてしまう…相手の おでこ や 眉間を見なさいと言われてきたタイプだろう…カメラなら大丈夫だと思っていた…もう時間がない…
どうする?)
「堀田 時間がない 手伝ってくれ!」
堀田はパソコンとスマホを使いSNSチェックしていた
堀田「うわ〜エグぅ〜 総理 すでに小学校時代の成績表とか晒されてますよ
A.B.C三段階評価でオールCって 本当に勉強も運動も出来なかったんですね……可哀想に……」と言いながら口元はニヤリ…
恐らく…先程 からかった分の復讐だろうか……
番場「過去より今だ
このままだと国民が不安になって またデモ活動が増えたり治安悪化に繫がるかも知れないぞ!」
私は 2人に対し「緊張すると駄目なんですよね…子供の頃から行進でも右手右足揃って出ちゃうし 意識したり頭で考えると自分の身体すら使いこなせなくなったりで…
自然体で いないと…ハハハ…でも45年も生きてきたので自分なりに対処方も一応あります」
「自分の言葉で話します
自分なりに解釈して…練習しても絶対無理なので…やらされると駄目なんです…自分でやらないと…だから諦めてください」
「もう時間ないですし気合い入れたいので一発叩いてもらって いいですか?顔はマズイので他なら どこでも大丈夫です」
堀田が「シッ!シッ!」っとシャドーボクシングを始める
「いや…そんな本格的じゃなくて…なんかあるじゃないですか?スポーツ選手とか試合前に背中を ばち〜ん ってや …
ガっグぇ〜ファ〜ラぁ〜!!!!」
堀田の右ボディーが左脇腹に突き刺さる!下からエグる角度のコークスクリューパンチ
膝から崩れ落ち のたうち回る
涙を流しながら
「グファッ…お…思ってたのと全然ちがう…ガハッ……」
……堀田ユキコ!31歳!護身術でボクシングを習う…!!………
怒らせない方が身のためだったようだ…!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます