第11話 前夜

総理大臣公邸… 「ハァーハァーふぅ〜ふぅ〜」

流れる汗 白い吐息…

そう私は…



知恵熱だった……


「だから言ったじゃないですか…う〜苦しい〜 私 平熱35度台で低いのに38度は、もう死にます…う〜ぅ!」

「無理矢理 頭に教養を詰め込んでくるからオーバーヒートしたんですよ…あ〜もうダメだ死ぬ〜」


番場秘書「いいえ アナタは死なないわ…」


「今の綾◯レイのモノマネですか?」「私は

アニメ観たことないですが昔パチンコで知りました

番場さんがアニメ知ってるとは意外でした…」


番場「全然知りませんが そのセリフだけはTVで観たことあります」


「今のアニメは凄いですよ

大人が観ても面白いですし

伏線とかも凄いです」

「後は個人的意見ですが 通常メディアの忖度などで放送されないような内容のものもアニメに すれば意外とイケたりしますしね! 世界の縮図…真実みたいな事もね」

「勉強になったりもしますし」


番場「それだけ話せるなら大丈夫そうですね ここ数日 総理の少ないキャパしかない脳に最低限の知識は入ったと思います。

まだ全然 足りませんが…」


「分かってます…言われなくても…病人には優しく接してください… ちなみに遠足当日にテンション上がり過ぎて熱だした事もあります」


番場「ふぅ〜」 ため息をもらす

「明日いよいよ国民に総理発表します

その後 総理の希望に沿いネット配信で所信表明演説を行います

大丈夫ですか? 」


「大丈夫ではないです…ネットとは言え大勢の前で話すのは苦手で…本当は録画して編集してくれると助かります

却下されたので仕方ないですが…」


番場「表明書ちゃんとフリガナふって ありますから読み上げるだけです」


「はぁ〜」私の深い ため息

「公邸から出てこないニート 引きこもり総理…在宅ワークで羨ましい…とかイジられそう…」


番場「とりあえず命懸けで頑張ってください…でないと3ヶ月後 死にますよ…多分」


「さっきと真逆の事 言ってますよ!

はぁ〜すでにドキドキが止まらない」


番場「結婚してます」


「知ってます 緊張で って意味です…」

「ところで堀田さんは今どちらに?」


番場「堀田も結婚してますが 今 官邸 議員会館などニートの代わりに周ってます…

今のは冗談ですが 最低限 大物政治家には挨拶がてら説明しておかないと駄目ですからね…」


「番場さんは常に真顔なので冗談か本気か 全然わからないです…昔 誰かに聞いたのか

歌の歌詞だったかは 忘れましたが

(良い事があって笑顔になるのではなく

笑顔でいるから良い事がある) らしいですよ!素敵な言葉だな~っと思って

まあ 私も10年以上 思いっきり本気で笑った記憶ないですが…ハハハ」


(あれっ!今…少し?)


珍しく番場さんの表情が一瞬…私の瞬きとタイミングが重なり よく見えなかったが

ほんの少しだけ微笑んだ様に見えた


番場「総理…自分で思ってるより ちゃんと会話出来てますよ

半分ニートみたいとか言ってますが自信が つけば きっと大丈夫」


「そ…そうですかね~?まあ明日 頑張ってみます!」


翌日


ついに抽選総理 の初陣を迎える!





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る