剣Edge(ブレイズエッジ)
影長「全く…、これだから」
デブネコ「どうされました?」
影長「姫様が、また凄まじいカラクリを作ってたのだ」
デブネコ「何処からあんな発想が出てくるんですかね?」
影長「取り敢えず、面白そうだな~で作ってると思われる」
デブネコ「そんな資金あるなら、私達の給金をあげてもらいたいものですね」
影長「全くだ…、何が飛翔海翔だ(ひしょうかいと)だ唯の巨大な凧じゃないか」
デブネコ「私でも、飛べますかね」
影長「お前…、飛ぶのか」
デブネコ「墜落して、顔面添加物とかになるとか思いませんでした?」
影長「何故判る?!」
デブネコ「そりゃーまぁ、大好きな男の事ですから…(ぽ」
ぶるりと震える影長
姫「ぉー、ここにおったか影長」
影長「嫌な予感がしますが、姫どうされました?」
姫「お主これで空をとべぃ」
影長「やっぱりぃぃぃぃぃぃ?」
姫「かっこよく翼を広げた荒鷲のデザインにしておいたぞ」
デブネコ「姫、これは頭の禿げたカラスです」
指をさして、デブネコが言ったが姫はどや顔でこう返した。
姫「細かい事は、どうでもよい。これを、使いこなす事が出来れば有用であるぞよ。それとも影長はこっちがよいか?魔法少女で絶対規制に引っかかるタイプのものも用意したのじゃが」
その余りの痛いデザインの凧をチラリとみてから、影長がため息をついた。
影長「荒鷲でお願いします姫」
姫「うむ、ド派手にいこうぞ影長よ!」
影長「ほう、例えば?」
姫「偵察とかに?」
影長「あっそういうのは間に合ってるんで……、つか偵察用なのになんでこんなクソ目立つデザインなんですかもっと真っ黒とかにしましょうよ」
姫「そういえば、城下の銭湯には露店式の屋根がない場所があったのぅ」
影長「頑張って空へ行ってまいります!!」
デブネコ「影長様……(白眼」
影長「いざっ!!」
颯爽と骨の足場に足をのせ、影衆が凧あげの要領でドンドン天高く上げていく。
影長「おぉ~、なんという安定感!」
姫「どうじゃ、なかなかのもんじゃろう」
影長「高すぎて下が見えませんが…、てか何で一緒に来ちゃってるんです姫?」
そこには骨の部分の足場に、着物で立っている姫が居た。
姫「空を飛べるのは実に素晴らしいのう」
影長「あれ、でもこの海翔何処まで上に行くんです?」
姫「そろそろ、糸が無くなる頃じゃが……うぅん?」
よくよく下を見ると風に揺られた糸の一番下に影衆がぶら下がった状態でひらひらと飛んでいた。
影長「もしかしなくても、これみんなで飛んでます?」
姫「スマヌ…設計ミスじゃ……orz」
影長「スマヌじゃないでしょ~!」
姫「にしても、これはまいったのぅ…」
影長「えぇい、仕方ありません姫俺に掴まって下さい」
姫「どうする気じゃ?」
影長「無事に降りれないなら、適当な高さになったら俺が姫を抱えて飛び降ります」
姫「あいつらはどうするのじゃ?」
姫が糸の一番下でぶら下がっている影衆を指さすと、影長は歯をキラリと光らせた。
影長「あいつらは、あいつらでなんとかするでしょう♪」
素早く左手一本で姫をしっかりと抱きかかえ、右手で愛用の剣を持って飛び降り崖に突き刺して足とセットでブレーキをかけながら着地した。
影長「姫お怪我は?」
姫「大丈夫じゃ、すまぬワラワのせいで…」
影長「また頑張って、新しい新兵器を作りましょう」
その二人の笑顔の後ろで、中指をたてながら風で飛ばされる影衆達がいたとかいなかったとか。
彼の名は影長、部下には薄情で主にはとことん優しい男。
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