26話 好きな髪形

 「じゃーん!」


 しばらく外で待っていると、夏楓さんが試着室のカーテンを開けた。ちなみに、村川さんは持ち場へと戻っていったようで、ここにはいない。


 「っ……!」


 正直言葉が出なかった。なぜなら、似合いすぎているから。


「どう、奏音くん? 夏楓お姉さんの格好は如何かな?」

「……正直に言って、最高です。というか、髪型変えました?」


 先ほどまで、綺麗な黒髪をそのまま背中に流していたが、今は二つに結ぶいわばツインテールで、肩から前にゆるふわな感じだった。


「うん。このワンピース着るなら、ツインテールが一番いいかなーって。正直ちょっと恥ずかしいんだけど……」

「僕、ツインテールが一番好きかもです。今の夏楓さん、史上最強級に可愛いと思います」

「へっ? あ、ホント? へ、へぇー。奏音くんはツインテールが一番好きなんだ。意外。まさか、ロ〇コン?!」

「違いますよ。夏楓さんのツインテールだからいいんです。普段とのギャップが堪らないんです」

「……無自覚イケメン。ずるいよ奏音くん」

「え? ごめんなさい、何か気に障ることを言ってしまいましたか?」


 急に夏楓さんが顔を赤くして頬を膨らますので、何か失礼なことを言ったのではないかと焦り始める。


「……ずるい奏音くんにはお仕置きをします! ということで、こっちに来てください」


 そういって、夏楓さんは僕を試着室の中へ誘う。


「へ? いやだめですよ夏楓さん。お店に迷惑ですし。あとでいっぱいナデナデしてあげますから。今イチャイチャしたいのは我慢してください」

「だーめ。はい、文句言わないでこっち来る」

「ああー」


 無理やり試着室の中へ押し込められてしまった。密閉空間に夏楓さんと二人きり。急激に心臓の鼓動が早くなるのを感じた……。




 ☆☆☆


 次回は久しぶりの甘々イチャイチャ回 ?!

 お楽しみにー


 

 ☆と♡くれるとめっちゃ嬉しいっす!




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