24話 完璧なルックスとスタイル
謎のスイッチが入ってからというもの、村川さん(例のお店のお姉さん)は、お店の至る所から様々な種類の服をあくせく見繕い始めた。
(何というか……村川さんの背中に激しく燃える炎が見える……)
まぁ、プロに任せておけば間違いはないだろうし、僕は僕で夏楓さんに着てほしい服を選んでおくとしますか。
近くの服から夏楓さんに似合うであろう服がないか漁っていく。前にも言ったかもしれないけれど、やっぱり夏楓さんのルックスやスタイルは一般の女子高校生と比べて、はるかに優れている。小さな顔、キリッとしていながら柔らかい雰囲気を併せ持つ目元、綺麗な黒い瞳、すっとした鼻筋、愛らしい唇、すべすべな肌。とまぁ、顔だけでもこんなに挙げられるわけで。
そんな完璧すぎる夏楓さんにだからこそ、僕は真剣に選ぶ。夏楓さんと服、どっちかが出しゃばって「美」のバランスを崩さないように、そんな細かいことも頭の片隅に入れながら、物色する。
僕自身、何着か試着してもらうものを決めたあたりで、村川さんが戻ってきた。
「お客様、いくつかおすすめのお洋服を持ってまいりましたが、試着なさいますか?」
「はい、ぜひ」
「かしこまりました、では彼女さまと共にあちらの試着室へお越しください。私は先に行って準備をしておりますので」
「わかりました」
僕が選んだ服も試着してもらうために、村川さんに預け、僕は帽子のファッションショーを開いている女神さまのもとへと向かった。
「夏楓さん、試着してほしい服があるんですけど……」
鏡の前で決めポーズをしている夏楓さんに声を掛ける。
「あ、奏音くん。分かった。ちょっと待ってね。この帽子ちゃんたちを返してこなきゃ」
「買わないんですか?」
「これだけ買おうかなぁーって」
夏楓さんが選んだのは、いわゆるベレー帽というやつだ。被るというより、乗せるようなイメージ。紺色を基調として、紫とピンクのリボンで装飾がなされ、可愛い系のものだった。
「わかりました、じゃあそれだけ持って行きましょうか。あまりお店の人を待たせるのも良くないですし」
「うん。そういう小さな気配りができる奏音くん素敵だなぁ」
夏楓さんはほんわかした笑みを僕に向けてそう言う。夏楓さんのそんな一言に嬉しくなりながら、二人で夏楓さんが試着した帽子たちをもとの場所に戻して、試着室へと向かった。
☆☆☆
久しぶりの投稿。お待たせしましたぁーーー!
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