23話 夏楓さんの専属コーディネーター
さて、夏楓さんにあんなこと言っといて、残念な結果になったら申し訳ないし恥ずかしい。夏楓さんは帽子のゾーンで一人たくさんの帽子を試着して一人でお楽しみのようなので、その間に決めるとしますか。
まずは、いつ着るものかを考える。お店を一通り見てまわると、今売っているのは当たり前だが春物と夏物の二種類。
(うーん、もうすぐ春も終わるし、夏物にしますか)
ということで、買うものは夏物にした。次はどういうタイプの服にするか。夏服の王道である(勝手に自分でそう思っている)薄い生地のロングスカート、はたまたTシャツに短パンやフレアスカートというのも似合いそう。
(やべ、着ている姿想像してみたら鼻血出そう)
何一人で興奮しているのかはなはだ疑問だが、それはご愛敬(?)
そこまで決まったところで、詰まってしまう。というのもお店をぐるぐる回っていると、たくさんの服に出会うわけで、あれもこれも状態になってしまうからだ。
自分のカノジョにいろんな可愛い服を着てほしいと思うのは世の摂理(文学少年あるある 簡単なことに難しい言葉を使って話を肥大化させがち)であって(?)仕方ないことだ。うん。
そんなくだらないことを考えていると、一つのロングスカートが目に留まる。ロングスカートに種類も何もないと思っていたが、意外とあるようで、記事の厚さやスカートの開き具合といった部分まで様々な趣向が凝らされている。その中の一着。ヒョウ柄の薄い茶色のロングスカート。一目見ただけで夏楓さんなら絶対似合うと確信できた。恐らくこれに合わせるなら、上は白色のTシャツが良いだろう。
ということで、夏楓さんのサイズのそれを一着取って、Tシャツゾーンへ移る。
無地の白Tは少々寂しい感じがするので、胸のあたりに何かしらのアタッチメントがあるものを探す。とはいえ、こういうのは初めてだからあまりよくわからない。
「お客様、何かお探しですか」
そこへ、お店のお姉さんが僕に声を掛けてきた。丁度いい、こういうのは女の人の意見を聞くのが一番良い。
「はい。このスカートにあう可愛いTシャツを探しているんですけど」
「といいますと、彼女さんのお洋服選びという認識でよろしいでしょうか」
「はい、あそこの帽子をいろいろ被っている人です」
「あら、あの方でしたか。先ほどからとても綺麗なお客様がいるなと思い、見物させていただいておりました」
「あはは、ありがとうございます」
「そういうことなら、わたくし、張り切ってお手伝いさせていただきます」
あれ、なんかスイッチ入っちゃった? まぁ、真剣に選んでくれるなら何でもいいか。
☆☆☆
筆者はファッションセンスのかけらもない人なので、本文中の奏音が選んだコーデも変なコーデかもしれないけど、そこは許してくれ! (←書く前にちゃんと調べろ)
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