4話 作戦会議開始!
「ふふっ♪」
うわー。ほんと僕の彼女可愛すぎる。
「夏楓さん。なんでそんなに嬉しそうなんですか?」
萌が聞く。僕も知りたい。
「これ! 奏音くんが私のために書いてくれたんだもん!」
きました!!美人先輩の神ギャップ。一見クールに見える先輩のたまに見せる甘々「だもん」口調!
どーしよ可愛い!!!
「あー。なるほどです」
え? 萌さん? 勝手に一人で納得しないで?!
「おい。奏音や。ここまでしても麻倉先輩の今の気持ち理解してないのか君は?」
萌の頭を撫でながら湊音が言う。
「ねぇねぇ奏音くん」
隣から僕の制服のブラウスを引っ張る夏楓さん。
「ありがとう。大好き♡」
ちょっと頬を桃色に染めながら上目遣いで言う夏楓さん。やば。鼻血でそう。
「えっ……いえ別に。こちらこそ?」
我ながら下手な返事で申し訳ない。夏楓さんは相変わらずニコニコしながら原稿を大事に抱えていた。この人がこんなに喜んでくれるなら、もっとたくさん書いてやる!! そう思うのだった。
「んで。お熱いとこ申し訳ないけども、作戦会議始めるよぉ」
沙那さんの一声で我に返る。夏楓さんがしっかり僕の片腕を両腕でホールドしてるのは気にしないでおこう。色々腕に当たって何がとは言わないけれど柔らかい感触を感じるし(?)
「内容はズバリ、我々ダンス部の再来月の校内発表についてだ!」
ちょっと興奮気味の沙那さんが言う。
「新学年早々のダンス部のお披露目会だね」
「それは萌たち新入生も出るんですか?」
「うん! みんな出るよ」
「まじか。萌たん。応援してる」
うちの学校では六月の頭の土曜日に、僕達新入生への部活紹介も含めて部活ごとの校内発表が行われる。まぁほとんどの新入生がもう部活入っているのであまり意味は無いのだが。
「で、私たちはダンス部としてトリを任された」
堂々と沙那さんが言う。
「え? トリですか」
思わず聞き返してしまう。
「どこぞの夏楓がくじでトリ引いたからね」
「あははは……はい。ごめんなさい」
しゅんとする夏楓さん。何だか可哀想に思えて頭なでなでした。
「ってことで。何を踊るか決めなきゃならない」
「それって部外者の僕らが聞いてもいい話ですかね?」
「まぁ、人数多い方がいい案思いつきそうだし」
じゃあなぜ他のダンス部のメンバーと会議しないのか……。まぁ聞かないでおこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます