第48話 カッコ可愛い彼氏さん
「おいしい!」
私でも知ってる名物のお鍋と、あとはお互い好きなものをと数種類の料理を頼み、桜城さんはビール、私はまたグレープフルーツサワーを飲みながら食べ進める。
お刺身は新鮮だし、小鉢は味付けが絶妙。熱々のお鍋も勿論美味しい。
「うまいー!」
目の前には口に目いっぱい食べ物を詰め込んでむぐむぐ食べては、ごっくん!と音が聞こえそうに頷きながらそれを飲み込む桜城さん。
「いつも思ってたんですけど、口に入れすぎじゃないですか?」
まるでリスみたい・・・とは言わないけど。
でも隣でこっそり思ってる(笑)。
可愛いんだけど、たまに喉詰まりして慌てて飲み物に口を付けてるからちょっと心配もしてた。
「早食いの癖が付いちゃってんだよなー」
「立ち食い蕎麦なら2分でしたっけ?」
「うん。早くて美味い。立ち食い蕎麦サイコー!(笑)」
「立ち食い蕎麦は否定しませんけど、もう少しだけゆっくり食べません?
せっかくの連休ですし」
「そうなんだけどねぇ。癖ってのは簡単に抜けなくてさー」
苦笑しながら箸でつまむその一口分がまた大きい。
それを口に入れてまた「うっま」と笑う顔はやっぱりカッコ可愛くて、仕事の鬼の顔はまったく無い。
思わず『まあ美味しく食べてるし、いっかー・・』と思ってしまうほど。
「ちゃんと噛んで下さいねー」
とりあえず身体に悪いからとそこだけは注意して、私もまたおいしい料理を口に運んだ。
目の前にはカッコ可愛い彼氏さん。
うん。幸せだ。
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