第35話 嬉し恥ずかし旅行準備



私が自分の部屋に帰って1番にした事は、旅行用のバッグを開ける事でも着替えの用意をする事でもなく、パソコンを立ち上げる事。

何をするかって?

それは勿論。

下着ブランドのホームページを見るためです!!

期待してるわけではないけど、何があっても大丈夫なようにはしたい。

というわけで、一番近くの百貨店内にあるブランドのページを見て買いたい下着を選ぶ。

明日お店でゆっくり選んでたら絶対に時間に間に合わないし。

清楚系で行くか、可愛い系でいくか、ちょっとセクシー系でいくか、はたまたシンプル系か。

桜城さんの好みはどうなんだろう・・・?

もう、完全にそういう事がある前提で考えてしまうのはしかたないと諦めて、ズラッと並んでいる商品のページをスクロールしていく。

来年30になる女があんまりにも可愛い系のを着けてたらヒかれちゃうか。

薄いピンクのレースヒラヒラを見ながらそんな事を思って、とりあえず色味は少し濃い系かくすみ系にしようと決めて、あとは多少は女性っぽくとレースと刺繍が綺麗なものの上下セットを数点選びプリントアウト。

これを持って明日の朝イチで百貨店へゴー!だ。


さて、大仕事が終わったところで荷物の整理でもしようかな。

基本的に荷物は少ないほうが好き。

3泊4日ならバッグに詰める洋服は2セット。

下着とかはさすがに日数分詰めるけど、ほら、女子はお化粧品とかもあるから

削れるところは削らないととんでもない大荷物になってしまう。

でもさすがに桜城さんと一緒だし、ホテルに泊まるって事もあるからちょっとシック目のワンピも一応入れてみた。

靴は、きっと歩くだろうからスニーカー、といきたいところだけれど、そこは少し女子を出して3センチだけヒールのあるストラップ付のパンプス。

これならちょっとくらい長めに歩いてもそんなに疲れないから。

最後に、さっき桜城先生から配られた『旅のしおり』を入れて終了。


「あ!うっそ」


そして、下着以外の準備を完了して時間を見るともう既に3時近くて、慌ててベッドに入る。


――――どうか旅行中は晴れますように!


そんな事を思いながら目を閉じた。

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