第30話 過去のオトコと今の彼
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彼氏がいたのは大学4年の夏が最後。
1年半くらい大きなケンカも無く仲良く付き合ってたのに、就職活動に難航した彼は先に内定が取れた私に八つ当たりをし始めた。
『お前に俺の気持ちなんか分かるか』なんて。
運良く今の会社に受かったけど、私だって受けた会社全部に内定がもらえた訳じゃないんだから、落ちた人の気持ちだって分かるに決まってんでしょ。
そんな言い合いのようなものがあった数ヵ月後には彼も無事就職の内定をもらったけれど、些細だと思っていた私達の気持ちのズレは思ったより広がっていて、それを修復出来ないまま彼は私に別れを切り出し、同じように活動に苦労していた同じゼミの子と付き合い始めた。
その彼は私にとって2人目の彼で、ソウイウコトの初めての相手。
彼もそうだったし、もうすぐ就職活動と言うタイミングで付き合い始めてそうそうそんなコトばっかしてられないし。
経験値なんて上がるわけない付き合いだった。
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「笑ってないよ(笑)」
「笑ってる」
「自分の思考に笑ったんだって。
初々しいのが可愛いとかさ。オヤジくさいなって(笑)」
「ういういし・・!」
あらためて言われると恥ずかしさは倍増。
アラサーで初々しいとか、自分的にはちょっと痛い。
だけど。
「下世話な話、オトコとしては育て甲斐があるっていうかね(笑)」
「そうですか・・・」
「俺じゃなきゃ駄目になるようにしたいね」
「・・・」
30手前にして育てられる、んだ私。
「何とか言って(笑)
シカトされると大変辛い台詞なんだけど(笑)」
はあ・・・。
じゃあ?
「・・よろしく、お願いします・・・?」
言うと、桜城さんは「ふはっ!」と吹き出した。
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