第3話 育児スタート!

魔王は、魔族の女から育児を学び、ミルク、おむつがえ、お風呂など様々こなした。


最初は育児を他に頼む予定だったが、勇者は魔王の姿が見えなくなるとギャン泣きした。

赤ん坊とはいえ、勇者としての力がある。

ギャン泣きすると力が暴走し、家が壊れそうになるのだ。



「魔王様、育児がさまになりましたね。」


隊長が買い出しから戻ってきた。


「まあな。育児という名の、魔族にとっては生き残りをかけた最後の作戦だからな、手は抜けない。」


「そろそろ、情操教育をしましょうか?」


「何それ?」


「"小さい頃からよく遊び、良いものに触れていると豊かな心が育まれますよ"ってことらしいです。」


「ああ、確かに勇者も、転生初期は『精霊に力を借りる方法』とか、『自然の理』とか学んでたが、転生回数が増える度に『兵法』とか『軍事論』とかを幼少から学ぶようになったんだよな。そりゃ情操どころじゃない。」


魔王は納得した。



「これ、ネットで見つけた情操音楽です。理屈はよくわかりませんが、幼い子の脳を刺激して、なんかいい感じになるらしいです。」


魔王は、へえ、と言って音楽をかけ始めた。


勇者は周りをキョロキョロみながらキャッキャッと笑った。

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