乗り切りましたよ、ええ、リアルを。

 まぁ、そんな精神グラグラ状態で日付が変わり。

 何とかかんとか、

「三万円だぞ (試験代)」

 と自らを奮い立たせ、その日は二時半くらいまで計算問題やりました。


 そこで思ったことは。

「HDD……どうか生きていて……」


 ええ、正直『睡眠時間は三時間ないのかー』なんて、HDDが生きていてさえくれるなら、本当にどうでもいい些細なことなのでした。




 そうして私はその日、三時間もしないうちに起き、その日仕事な配偶者を見送り、なぜか今更というか、

「は? こんなところに過去問あったの?」

 という状態で過去問を見つけ、

「コレ、家出るまでにやるなら三時間ないぞー……」

 と思いながらギリギリまで今更な過去問三日分をできるところまでやり、試験へと向かったのでした。




 試験会場では、まぁ、なかなか緊張しました。

 資格試験を受けるなんて、それこそ運転免許振りではないか。

 新しいアダプターが届いてもHDDの電源がつかないかも、データの救出方法もあるみたいだけどできないかもしれないなんて思っていても、いよいよの試験です。

 この四週間弱、休みのほぼすべてを費やしてきた試験目標です。ここで万一落ちたらというプレッシャーに手がじんわり。動機も止まらない。何より、これから試験受けるようなメンタルじゃないって自分がよくわかっていました。


 でも、やるしかないんです。


『ああ、もう! 私は生きているんだから……やるぞ!』

 腹を括り、深呼吸を重ね問題と向かい合いました。

 ここで落ちたら来年も受けるのだろうし、また休みの度に勉強するのだろうし……ああ! それは勘弁願いたい。

 執筆も飲酒も我慢した四週間弱だった! だから、何とか、いや、何としてでも合格したい!


 それだけを思って試験中は頑張りました。




 無事に試験を終え、会場の外に出ると日が落ちていました。

 幸いなことに試験の手応えはあり、それだけが本当に何よりでした。


 帰宅する途中、私は長編小説を更新。


『とりあえず、本編を完結させられる見込みはある。完結できる。諸々の設定とかは、また必要なときに考えるしかないし、なくなってしまった話はまた書けば前回よりもよく書けるかもしれない』

 何とか歩けるように自らに言い聞かせ、私は家路につきました。

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