24話 再戦! 1秒! 瞬殺!
65日目 再び500階層まで辿り着いた。
あつし、ユウ、ノルンのレベルは425に。
サラのレベルは310まで上がった。
「あつし様、皆と合流しなくていいの?」
「まだ日数があるから、ちょっと僕に付き合ってよ」
「あつし、サラちゃんにも手を出すつもりね」
「あつしはエッチにゃ」
「え? 私は……お願いします」
「いやいやいや、ユウとノルンもだよ。先に進めるのか試したいんだよ」
「あの素早い狼とまた戦うのね」
「今度は負けにゃいにゃ~」
「普通に戦えば負けるけど、僕達には限界突破のスキルがあるからね」
「楽勝よね」
「そうにゃ。ノルンは無敵にゃ」
「まあ、そうだけど、限界突破には時間制限があるし、成長率上昇の指輪は3つしかないよね」
「私は必要ありませんよ」
「いや、成長率が2倍も違うんだから、サラもレベルアップする時には装備してもらうよ」
「ってことは4人では戦えないのね」
「ノルンは1人でも大丈夫にゃ」
「限界突破を使い続けることが出来れば1人でも問題ないかも知れないけど、10分もしない内にMP切れで使えなくなるからね」
「さすがに10分じゃ、501階層は攻略出来ないわね」
「だよね。だから、こまめに使用出来るのか試してみたいんだ。まだサラのレベルが低いから、1人が戦って、1人は念のためにサラの護衛。そして成長率上昇の指輪をしてない1人は階段で休憩だね」
「なら、こまめに休んでMPが減り過ぎないようにしないとね」
「ノルンが倒すにゃ」
「任せたよ。僕はサラを守ってるけど、限界突破は使いたくないから、ノルンが全ての魔物を倒してくれ」
「ノルン様、お願いします」
「任せてにゃ」
「よし、なら向こうだね。この階層は宝箱が全て残ってるから、ついでに回収していこう」
すぐに現れた黒い狼の魔物。
速い。
あっという間にノルンに接近。
ノルンは? まだ限界突破を使っていない。
なぜか盾を構えたノルン。
黒い狼の魔物は盾等気にせずにノルンに正面から突撃。
黒い狼の魔物に体当たりされたノルンは何とか倒れずに耐えきることが出来た。
「限界突破にゃ」
ん? ここから?
盾に体当たりした黒い狼の動きは止まっていた。しかし、それは一瞬だけだろう。
がノルンはその隙きを見逃さずに一撃で黒い狼の首を跳ねてしまった。
「成功にゃ。1秒にゃ」
ん? 1秒?
ノルンを鑑定するとMPは5しか減っていなかった。しかしHPが105も減っていた。
「凄いな、ノルン。天才だね」
「にゃ。そうにゃ」
笑顔のノルン。何も考えてなさそうに見えるのだが、僕よりも色々と考えているようだ。
ノルンは凄かった。向かってくる黒い狼の魔物の動きに合わせて、1秒だけ限界突破を使い、真っ二つに。
2匹同時に襲いかかられても、ぎりぎりまで引き付けて限界突破。2秒で2匹の首を跳ねてしまった。
戦いなれたのかノルンはダメージを追うことなく黒い狼を倒していく。
「凄かったよ、ノルン」
「ノルン様、格好良かったです」
「にゃ~。ノルンは無敵にゃ~」
「だね。ノルン、次はノルンがサラを守ってくれ。僕はノルンの真似をさせて貰うよ」
「サラはノルンに任せるにゃ~」
「ノルン様、よろしくお願いします」
僕は近くにいた1匹の黒い狼の魔物に向かっていく。
僕に気づいた黒い狼の魔物は一瞬で僕の前に。
ちっ。速すぎだろ。
僕は盾を構える暇もなく、黒い狼の魔物に体当たりされ、吹き飛ばされてしまった。
くそっ。どこに?
「さすがノルン様です」
「ノルンは最強にゃ~」
僕が見失った黒い狼の魔物はノルンに首を斬り落とされていた。僕は安心して立ち上がる。
「ノルン、ありがとう。助かったよ」
「サラはノルンに任せるにゃ~」
僕はもう一度一匹だけの黒い狼の魔物に向かって行く。
黒い狼の魔物と遭遇。
そうか。ノルンはタイミングを測ったのか。
僕はノルンを真似して盾を構えた。盾に体重をかけて前に出た瞬間、盾に衝撃が。
うっ。痛いけど、耐えれた。ここからだな。
「限界突破~」
僕は盾を下げる。
目の前に黒い狼の魔物。
僕が剣を構えると黒い狼は後ろへ飛ぼうと。
しかし遅い。
僕がその前に剣を振り抜くと、黒い狼の魔物の首が飛んだ。
よし、成功だ。
僕はもう一度同じ方法を。
そして成功。
次はノルンのように。
黒い狼の魔物が僕に気づいた。
ここか?
「限界突破~」
黒い狼の魔物が目の前に。
しかし限界突破を使った僕の身体能力は2倍に。
間に合わないかもと頭に過ぎったのだが、僕の剣は黒い狼の魔物が僕に体当たりする前に首を跳ねることが出来た。
ふ~。成功か。
2度目は余裕で。
3度目には確信が。
僕はノルンのように黒い狼の魔物を瞬殺出来るようになった。
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