23話 賢者! チート! 最強!
「ねえ、ねえ、サラちゃん。賢者って何が出来るの?」
「その……魔法が使えます」
「魔法? どんな?」
「その……沢山使えるみたいです」
なぜかサラは緊張しているのか……震えている?
「サラ、どうしたにゃん?」
「その……魔法が使えるみたいで……その……」
「使ってみたいってこと? サラちゃんがすぐに実戦で試したいなら、付き合うよ」
「その……。本当なのか……。こんなこと出来るのか……。夢じゃないですよね?」
サラは泣きそうな表情に。賢者を覚えて感動しているようではない? 凄く困惑しているサラ。
「大丈夫だよ、サラ。落ち着いて」
「使っても……よろしいでしょうか……」
「ノルンが手伝うにゃ」
「ノルン様、違うのです。……この魔法は……あり得ないと思うのですが……」
ユウがサラの頭を撫でる。
「大丈夫だよ。見てるから、サラちゃんの好きにしたらいいよ」
「だね。サラ、頑張れ」
「ファイトにゃ」
「え? は、はい。では……行きます。回復魔法完全回復、神の奇跡」
ん? 回復魔法?
サラの身体が神々しい光に包まれた。
「え? サラ」
「サラちゃん? 凄い……お、おめでとう、サラちゃん」
「凄いにゃ~。おめでとうにゃ~」
「おめでとう、サラ」
サラは驚いた表情でゆっくりと……起き上がる。
「これは夢でしょうか?」
ユウがサラをギュッと抱きしめると、すぐにノルンもサラの背後からギュッと抱きしめた。
「ふふふっ、夢じゃないよ。サラちゃんはちゃんと自分の足で立ってるよ」
「そうにゃ。サラはチートにゃ」
「だね。サラは最強だね」
12年前に失った利き腕の右手と両足を完全に回復させたサラ? いや、12年前ならサイズが。今の身体に合っているので、回復したというより生えた? それも12年ぶりの動作なのに普通に立ち上がったサラ。チート過ぎて、よく分からないが、奇跡としかいいようがない。
「あつし様、ユウ様、ノルン様。私を仲間に加えてください。全力で頑張るので、どうかお願いします」
「ふふふっ。サラちゃんは既に仲間だよ」
「そうにゃ。サラがいると心強いにゃ」
「だよね。サラ、よろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
サラはそう言うと泣き始めてしまった。
この日、チートな英雄あつし、ユウ、ノルンに続き、賢者というチートスキルを手に入れた英雄サラが誕生したと言われている。
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