13話 お願い! 秘密! 秘密!










「あつしくんとユウさんにお願いがあります」


「ママを治療してくれた、お巡りさんの頼みなら断れないよね」


「だね。僕達に出来ることなら」


「ありがとうございます。あつしくんとユウさんに私の娘を預かって欲しいのです」


「娘さん? お巡りさん、結婚してたんだ~」


「僕もお巡りさんは独身だと思ってたよ」


「……私は独身ですよ」


「そうなの? 娘さんは何歳なの?」


「20歳です」


「「 え? 20歳? 」」


お巡りさんは30ちょい過ぎくらいの年齢に見えるので、僕とユウは驚きの声を上げてしまった。


「お願い出来ますか?」


「大丈夫だよ。ねえ、あつし」


「うん。……お巡りさんって何歳ですか?」


「私は36歳ですよ。あ~、娘とは血は繋がってませんよ」


「そうなんだ~。で、理由を聞いても?」


「娘と会ってくれれば分かることですが……。娘の存在をまだ公にはしたくないのです。最近、とんでもない物を取り扱うことになったので、私の周りを探ろうとする者達が増えてしまいまして……」


「とんでもない物?」


「ユウ。たぶん、僕達が持ち込んだ物だよ」


「あ~、魔鋼石から生成したコインね」


「そういうことです。コインから武具を生成することは出来ても、ダンジョンの採掘場の等級を上げることは出来ませんからね。コインに生成する前の魔鋼石を手に入れようと考えているのでしょうね」


「あ~、だとすると、お兄ちゃんにも注意するように言わないと」


「ナオキくんには既に私から話をしてますよ」


僕とユウが採掘したSSS級の魔鋼石を僕の兄がコインに生成している。そのことは、お巡りさんには話してないのだが……まあ、僕達の周りで武具生成のスキルを持ってるのは兄しかいないので予想してたのだろうか……。もしくは……。


「もしかして、お兄ちゃんにコイン生成の方法を教えたのって……」


「バレてましたか。SSS級の魔鋼石が出回ると日本の優位性がなくなりますからね」


「尚更、政府が管理した方がいいんじゃないの?」


「知ってる人数が少ない方がいいのですよ。私が採掘を任されたなら、部下に指示を出します。その部下も1人では採掘出来ないでしょうから、部下の部下達と採掘するでしょうからね」


「確かに上の立場の人が自ら採掘したりしないよね」


「知ってるのは僕とユウとお兄ちゃんとお巡りさんだけの方が隠し通しやすいのか。まあ、今回は既に買取をお願いしている30万キロ分のコインで終わりだからね」



話が終わると交番の奥の部屋から武具を身に纏い、帽子を被った150cm程度の女性が出て来た。僕はこっそりと鑑定スキルを使用。


ノルン

レベル1

HP400/400(+200)

MP400/400(+200)

力    40

耐久力  40

抵抗力  40

素早さ  40

知力   40

器用さ  40

運    40


SSS級の剣

SSS級の鎧

SSS級の盾

S級の罠無効の指輪

S級の成長率上昇の指輪

S級のHPの指輪

S級のMPの指輪

剣士の指輪


「外人さんなの?」


帽子からは金色の髪がはみ出ていた。


ユウの質問にお巡りさんが言う。


「日本語を話せますが、日本人ではありませんね。問題ありますか?」


「ないわよ。日本人だって思ってたから、驚いただけ。あつしも問題ないよね」


あるよ。あるけど、あるけど。


僕の鑑定スキルは僕のレベルが上がったことで、更に詳しい情報が分かるようになっていた。



ノルン

種族:猫の亜人









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