幕間1 レベル1! 慎重? 100階層?




「で? レベルは?」


「15です。アイテムボックスのスキルを手に入れてからは、ダンジョンに入ってないそうです」


「少しレベルは高いようだが、アイテムボックス持ちなら、目を潰れるな。佐久間、この間の鑑定持ちの子はどうした?」


「すみません、ダメです。あれからレベル40まで上げてしまっていました。武具を渡してしまった私のミスです」


「他に候補はいないのか? まだレベルを上げてない者は?」


「ん? そう言えば。古谷さん、言ってませんでしたか? レベル1でアイテムボックスを持っている子がいると。それも、彼氏もレベル1で鑑定持ちだと」


「その話なら私も聞いたことがありますね。アイテムボックスの発見者でしたよね、古谷さん」


全員が古谷に注目した。


古谷は立ち上がり、言う。


「確かにあの子達のレベルは1でしたね」


「でした? 過去形か。現在のレベルは?」


「ダンジョン100階層まで進むと言ってましたね。男性の慎重な正確から考えますと、階層=レベルで進むでしょう」


「ちっ。有力候補になれた人物が」


「古谷、なぜ止めなかった」


「すみません。女性の母親が魔血栓病を発症してしまいまして。それで上級ポーションを探しにダンジョンに」


「貴様なら上級回復魔法で魔血栓病が治ることくらい分かっているだろ」


「上級回復魔法のことを部外者に話す訳にはいかないので」


「それはそうだが、レベル1で、アイテムボックスだぞ。それも相方がレベル1で鑑定持ちだったのだろ」


「止めろ。古谷よ。その母親をどうした?」


「もちろん、治療済みですよ」


「そうか。古谷よ。……在庫が増えすぎていた小玉と中玉を売却したと報告していたな」


「……はい」


「そうか。まあ、よい。他に候補はいないのか? この国の未来がかかっているのだぞ。何としても我が国もオリハルコンを手に入れなければならないのだ」





海外で発見された最高等級の魔鋼石オリハルコン。


その武具を纏った者が他国の軍をたった1人で無双したとの情報が入った。


現代兵器が全く効かないその者に対抗するには日本もオリハルコンを見つけるしかないのだと結論付けられたのだ。







日本だけではなく、ほとんどの国が頭を悩ませていたのだが、その問題はアッサリと解決されることになる。



2人の英雄によって。







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