第11話 ボス! ハズレ! 脱出!









「さあ、行くわよ」


ユウは気合を入れて100階層のボス部屋の扉を開けた。


「ユウ、ちょっと待った」


ボス部屋の中には大きな大きなトカゲの魔物が。僕は慌ててユウを止めようとしたのだが、遅かった。ユウはボス部屋の中に。中に入ってしまうと倒すまで出ることが出来ないのだ。


「どうしたの、あつし?」


「あれは、地竜だよ。ドラゴン」


「へえ~、腕が鳴るわね」


ドラゴンと聞いても恐れずにやる気満々のユウ。


「ダンジョンでドラゴンを見たなんて情報はなかったよね。もっともっと下層で出てくる魔物だと思うよ」


「ねえ、それより、弱点は?」


「はあ~、ないよ」


魔物を鑑定すれば弱点の情報があったりするのだか、表示されていない。


「仕方ないわね。やるわよ、あつし」


「ユウ、帰還を使えばいいよね」


「ダメよ、せっかく宝箱のレア度を上げたのに」


「ユウ、死んだら意味ないよね。頼むからスキルを使ってよ」


「ちょっとだけ待ってよ」


「ダメ。はあ~。ユウは走って奥にある宝箱の中身を回収するんだ」


ユウが止まりそうになかったので、仕方なく僕が前に出た。


「ちょっと、あつし」


「走れ、ユウ」


僕は剣を構えて地竜に向かって走る。地竜は3メートルもある。正直言ってコワい。コワいけど、ユウには怪我してほしくない。


地竜に接近した僕は右に行くと見せかけ、左前に飛ぶ。地竜は僕のフェイントに引っかかり、口を大きく開けたまま頭を右へと伸ばした。


僕は着地すると、すぐに地竜の方へと踏み込み、剣で地竜の横腹を攻撃した。


硬っ。全然斬れてないよ。


僕の剣は地竜の硬い硬い鱗に守られた横腹を傷付けることが出来なかった。


僕は油断することなく、すぐに後ろへとジャンプして下がる。が、地竜は横回転?


しまった。


僕は左手に持っている盾に力をいれる。地竜の尻尾がすぐそこまで迫っていたのだ。避けることは出来ない。すぐに強い衝撃が。


くっ。うあっ。


背中に衝撃が。


僕は地竜に吹き飛ばされ、横壁まで吹き飛ばされてしまっていた。


痛いっ。盾で直撃は防いだけど……。


どれくらいダメージを受けてしまったのか、僕はすぐに確認する。


あつし

レベル63

HP1858/1888(+200)

MP772/772(+200)

力   660

耐久力 164

抵抗力 164

素早さ 412

知力  164

器用さ 288

運   288


A級の剣

A級の鎧

A級の盾

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S級の成長率上昇の指輪(※レンタル)

S級のHPの指輪(※レンタル)

S級のMPの指輪(※レンタル)

剣士の指輪



ダメージは30。あれくらいのダメージなら、何度くらっても問題なさそうなのだが……。


地竜

HP4999/5000

MP3000/3000


どうあがいても勝てる気がしない。


「あつし、大丈夫?」


「僕なら平気だよ。それより、宝は?」


「手に入れたけど、ハズレだったよ」


「ユウ、攻撃スキルも、必殺技もない僕達じゃ、地竜には勝てない。逃げるよ」


「そうみたいね。ごめんね、あつし」


「大丈夫だって。さっさと逃げようか」


「うん」


僕とユウは地竜の動きを警戒しつつ、ゆっくりと距離を縮めていく。


そしてユウがすぐ側まで。


僕とユウが合流したことで、地竜は僕達に向かって突進。


「あつし、手を」


ユウが僕に向かって手を伸ばす。僕も手を伸ばし、ユウの手を握る。


地竜はすぐ側まで迫っていた、のだが。


「帰還」


ユウがそう叫ぶと僕達は光に包まれた。







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