第7話 バレた? 卒業! 無職!




裏ワザを始めてから52日目。値下がりしなかった魔鋼石の買取価格に変化が。


F級魔鋼石1キロ→買取不可

E級魔鋼石1キロ→買取不可

D級魔鋼石1キロ→買取不可

C級魔鋼石1キロ→買取不可


お巡りさんが申し訳なさそうに言う。


「明日からは買取出来ないそうだ」


僕とユウはすぐに理解した。ダンジョンの階段を降りなくても採掘出来るダンジョンがあるとバレたのだと。


これについては既にユウと話していた。強い魔物と戦えない僕とユウが採掘出来ているのだから、政府にバレている可能性が高いと。そして政府が管理しているダンジョンの調査が行われているだろうと。


「仕方ないですね。今までお世話になったので、僕からも裏ワザを1つ」


「裏ワザ?」


「僕の兄を訪ねてください。採掘に有益な情報を高額で買取ると言ってくださいね」


「……採掘の方法だな。確かにあつしくん達の採掘量は異常だからな。なるほど、ナオキくんが関わっていたのか……」


兄が武具生成のスキルを持っていることを知っているお巡りさんはなんとなく察したようだ。




この日から僕とユウは無職になってしまった。いや、まだ僕達は高校3年生だったよね。学校にはほとんど行ってないけど。


「あつし。明日から、どうするの?」


「冒険者ギルドには売れなくなったけど、お兄ちゃんみたいに個人で武具を生成してる人達には売れるから、続けてもいいけど……高くは売れないかな」


「だよね。さんざん稼がせて貰ったから、これからは、のんびりしてもいいよね~」


「だね。明日は学校に行こうか。卒業はしておいて損はないならね」


「学校か~。ほとんどの人が冒険者になるみたいだよね~。私達はどうする?」


「冒険者か~。今更ね」


「お金はあるからね~。卒業したら、旅行にでも行く?」


「それいいね。いろんな場所に行きたいね」
















僕とユウは再び学校に通うことにした。











そしてダンジョンが出現してから560日目、僕とユウは無事に高校を卒業することが出来た。


海外は治安がかなり悪くなっているようなので、僕とユウは国内旅行に行くことに。


ユウとの旅行は毎日が楽しくて、あっという間に2年が経ち、僕達は20歳になった。


無職だが充実した毎日。


後に英雄と呼ばれるあつしとユウの伝説はまだはじまっていない。




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