福岡県 葉汐 絢愛

「おい!あやっ!!」

「絢愛さんっ!!」


男2人が焦ったように声を上げる。


「絢愛様っ!!」


護衛官が彼女の名前を叫びながら彼女の元へとかけよる。


「………芭音。なんで。」


よく分からないという表情で問いかける、葉汐 絢愛ようせき あやめ。この土地の厄祓い神だ。


「なんでやなかばいっ!!またそげんして何もゆわずに前線に出るばいけん!!!」

「……芭音、方言。」

「あ、もー!!また出てしまったではないですか!絢愛様、お願いですから御自身をもっと大切になさってください。」


とすごい方言で喋った彼女はもう1人の厄祓い神の護衛官だ。ずいぶんと絢愛を心配している。


「………でも、私が行った方が早いから…。」

「そーゆー問題じゃねーんだよ。あや、作戦の共有は大事なんだ。チームワークを大事にしろ。」


絢愛の前に立ち説教をする男、夜空 輝流よぞら ひかる。絢愛の護衛官だ。


「…………ごめんなさい。」

「お前、ごめんなさいの意味わかって言ってるか?それ前も聞いたけど全然なおんねーじゃん。」

「まぁ、輝流さん。その位にしときましょう。絢愛さん、僕にも戦わせて欲しいです。」


と優しく笑って話しかける彼。


「…………ん。分かった。善処する。」

「「しないやつですね。/だな。」」


と2人の護衛官の声がハモる。


「……………2人とも私の事よく分かってくれるから嬉しい。」

「っ…………。まぁ、護衛だしな。」

「………とにかく、絢愛様はもっと周りとコミニュケーションを取りましょう。」


そう絢愛に提案する。するとこてんと首をかしげる。


「みんなとお喋りしてもいいの?」

「へっ……え、もちろんですよ。」

「逆になんでダメだと思ったんですか?」


きょとんとした顔でこう言った。


「だって許可でてないもん。」

「「「っ……!」」」


その場にいた誰もが息を飲む。


「……?あ、私、やっぱり………。」

「大丈夫ですよ。許可とかないですから、ここは。」

「そうですよ。僕もっと絢愛さんとお話したいです。」


そう言うと絢愛は少しばかり嬉しそうな顔をした。


「……………あや……。」


~ 厄祓い神 福岡県 葉汐 絢愛 ~

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