第8話 落ち込むことは何も悪いことではない。

特に理由がなくても、漠然と不安を感じる夜がある。

「このままでいいんだろうか」「この感じがずっと続いたらどうしよう」とか。


なにもしたくないし、やりたくない。

やりたかったことすらも忘れるくらい、なんとなく落ち込むことがある。

人と会って話したら元気になるんだろうけど、そこまでするのが面倒くさい。


そんなときはいつもまず、原因を探ってしまう。


もしかしたら寒くなってきたらかもしれん。

これは冬季うつと呼ばれるものかしれない。

それか、今日たくさんコーヒーを飲み過ぎたから、

それによるミネラル不足かもしれない。

それか、生理前だからかもしれない。

もしかしたら、最近の疲れがたまっていたからもしれない。


はたまた星のせいかもしれないと思い、トランジットを確認したりもする。

「あー、今、メンタルによくないトランジットかも」


よく考えると落ち込みそうな要因がいくつもあることに気づく。


そうなると、「ま、たくさん落ち込みそうな要因があるし、仕方ないよね笑」と

ちょっとだけニコッと笑える。


ニコッと笑えたら「お風呂でも入ってもう寝よう」となれる。


お風呂入って、布団に入って、寝る。

明日も落ち込んでてもいいじゃん。

人生いつも前向きは疲れるよ。


たまにはセンシティブになってもいいじゃん?

ちょっとアンニュイな感じじゃん?

言葉にできなくてもいいよ。もやもやを消そうとしなくてもいいよ。

あたたくして寝てね。


だれかに言われたい言葉を自分に言って、目を瞑る。

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