もしかしたらあり得た世界(『りそかの』×『姉と幼馴染と美人先輩』クロスオーバー)
東権海
第1話
東京都にほど近い、埼玉県某市のある住宅街。
似たような、そこそこ新しめの一軒家が並ぶ。
そんな住宅街の一角に、賑やかな3軒が並んでいた。
表札は、東側から「大塚」、「井野」、「相原」。
これは、この住宅街で屈指の賑やかさを誇り、常に周りをホッコリさせる3家族のお話である。
朝から一番賑やかなのは、相原家だ。
「ひかり!早く起きな、遅刻するよ!」
「お姉ちゃん、それ私のリボンだよ」
「私のハンカチどこ?」
「しずママ、コーヒーある?」
「ちょっと兄貴あっちいって!」
「うっさいな、こっちも忙しいんだよ!」
「ほらそこ!喋ってないで早くする!それとも遅刻したいの!?」
「楓、まあ落ち着け落ち着け。こんだけ子どもたちいればそりゃ混沌になるだろう?」
「莉乃は優雅にマグカップ抱えてないで!あと律希も起こして!」
「しずくがもう行ったぞ。それより楓は今日早く出ないといけないんじゃなかったのか?」
「だったら莉乃はもう少し働いてよ!」
相原家は本当に騒がしい。
父は律希、母は楓としずく、それに莉乃。
だから子供の数が多い。
楓の子が4人、しずくの子は3人、莉乃はなんと6人。
しかも、莉乃の次女と三女は双子だ。
異母兄弟姉妹が多く、中には同い年なこともある。
子供だけで13人もいるからか、朝から騒がしいのが相原家だ。
さらに言えば、現在しずくは妊娠5ヶ月。
さらに子供が増えることが確定しており、朝の騒々しさはさらに磨きがかかるだろう、そんな一家だ。
と、子どもたちが登校や登園の準備を(ドタバタしながら)していると。
キンコーン。
こんどはインターホンがなる。
『おばさーん、おはよーございまーす!』
「ほらあ!有希ちゃんたちが来ちゃったじゃん!早く支度しなさい!」
相原家の元気いっぱいな(?)子どもたちを迎えに来たのは、井野家の子どもたちだ。
父は政信、母は千春&ちとせの姉妹である。
一番年上の有希だけは、政信との血の繋がりはない。
だが、子どもたちの中ではダントツのパパっ子であり、ファザコンレベルと化していた。
実の父親には全く似ておらず、しっかり者な性格と、母親譲りの美貌を併せ持つ完璧美少女だった。
勿論子沢山な井野さんちである。
千春は5人(うち双子1組)+有希に加えて双子を妊娠中でまもなく臨月、ちとせに至っては三つ子一組を含む7人に加えて妊娠が発覚していた。
こちらは子どもたちだけで13人(もうまもなく15人)である。
こっちはと言えば有希を筆頭にある程度統率されており、相原家ほどではないもののやはりドタバタはしている。
と、あいも変わらず相原家がドッタンバッタン大騒ぎしてるうちに。
「あ〜、有希ねえ達もういるじゃん」
「有希姉さん早すぎない?」
そのお隣、大塚さんちの子たちも合流してくる。
大塚さんちは武弥と彩希の夫婦だが、子供は6人いる。
この3家族、親同士が仲が良かったせいか、子どもたちはもはや一つの大家族に近い感覚である。
総勢32人の子どもたちがいるその光景は、朝から騒々しいけれども見ているとほっこりする。
ゆえに今も、ご近所さん達からは暖かい視線が向けられていた。
今日もまた、3人の父と6人の母、そして32人の子供と4人の胎児による、騒がしくも微笑ましい平日は幕を開ける。
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もしも3家族がお隣さんだったら?という設定でお届けします。
ある平日の1日を、全4編に渡ってお届けしていく予定です。
さすがに子供たち32人全員の名前をつけるのは大変なので、名前が出てこない子供もいるとは思いますが、ご理解よろしくお願いします。
本編の方もぜひよろしくおねがいします!
『彼女(幼馴染)が親友と浮気したから親友の彼女(元カノの双子の妹)と復讐した結果、理想の彼女ができた。』
https://kakuyomu.jp/works/16816927862212659203
『姉と幼馴染と美人先輩の俺の取り合いは、正妻戦争に変わってしまった』
https://kakuyomu.jp/works/16817139554872189774
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もしかしたらあり得た世界(『りそかの』×『姉と幼馴染と美人先輩』クロスオーバー) 東権海 @shikajika
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