白薔薇の魔女

@kanamori_1102

第1話

20○○年8月東京都内の大病院の駐車場で

人が死んでいると通報があった。

現場に駆け付けるとそこには

白衣を来た40代〜50代の白髪混じりの男性が

『一輪の白薔薇』を持った状態で倒れていた。

事件現場には血痕の1つも無く白衣にもシワ1つないまるで眠っているかの様なそんな綺麗な遺体の

ある現場だった

「ふぁーあ」

いくつもの照明で照らされ多くの刑事達が辺りを睨む様に捜索し野次馬がごった返す中男は現れた。

「ったく、こんな深夜に呼び出しやがって」

「おい、八代!何をしてんだ、早く来い!」

男の名前は八代裕哉、42歳、警視庁刑事部

捜査一課第13係に属する警部だ。

「係長、もう2時ですよ、良い子はおねんねの時間ですよ」

「うるさい、そう言うのは昼間真面目に働いた者が言える事だ、昼間ぐーたら寝ているお前が文句を言うな」

この怒鳴ってる男は八代の直属の上司で

名前は飯沼明夫、第13係の係長である。

「八代、ただでさえ人手不足なんだからこう言う時位頑張れよ」

「はぁー、分かりましたよ、で害者は?」

係長は手帳を広げた

「害者の名前は白鳥悟、48歳、

この白鳥病院の外科部長で

院長である白鳥権蔵の一人息子で次期院長らしい」

「なるほどねぇー」

そう言うと八代は遺体をジロジロ見る

(確かに白衣やスーツに犯人と争った形跡は無し

口からはアーモンド臭の香りなども無い

爪にも何も残ってないし首や腕には注射痕もない)

だが八代はどうしてもこの遺体から謎の違和感を

覚えている

「係長、それで第1発見者は?」

「お、八代珍しくやる気じゃないか

第1発見者はこの病院の看護師で灰谷美代子32歳」

「発見時の状況は?」

「夜勤中に忘れ物を取りに駐車場に来た時に発見し

通報したそうだ」

八代はそう聞くと

(なるほどねぇー監視カメラもあるし人通りもあるからすぐ解決するかぁ)

「じゃあ俺は聞き込みして帰りまーす」

と歌う様に現場を離れて行った

「おい!八代!」

と係長が叫ぶのも気にとめず八代は

スキップしながら去って行く

すると他の刑事がヒソヒソと

「あれでも元は一課のエースだったんだよな」

「今では見る影も無いけどね」

八代は気楽な気持ちで帰路に着いたが

まさかこの事件があんな悲劇に繋がるとは

誰も知らなかった



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