誰かの記憶に残りたいというのは当たり前の願望だけど、それを意識する切なさがここにありました。じれじれのような青春の物語でありながら、どこか達観した雰囲気のある小説です。まだ連載中なのでラストは分かりませんが、いつかくるお別れの切なさが漂っていて一つ一つのシーンが特別なものに見えます。おすすめです。
社会的撤退者救済措置法から始まる物語。主人公 桝谷莉雨(ますや りう)はかつて天才子役だった。高校のクラスでずっと気になっている男子 有栖川蒼。孤独になりたくない女子高生と、孤独を選んだ男子高校生の青春が今始まる(文中より)作者様の特徴として女性一人称によって語られる心象風景が毎回色鮮やかで惹きこまれていきます。物語を読み進めるとあっと驚く仕掛けがあります……!それは見てのお楽しみです。
他者と繋がりたい少女とつながりを求めない男子との恋愛作品です。私がこの作者様の特色と感じている点に「色や空気感を感じる詩的な表現」がありますが、今作でもそれが感じられていて、一件悲壮感を感じそうなテーマなのに、爽やかさや優しさを感じます。繊細な感性を持つ二人の小さな恋の物語。作者様の鮮やかで緻密な感性と共にぜひ楽しんで下さい!!