<間奏曲:Molto doloroso(とても苦しげに、悲しみを持って)>
明治36年大分の小さな町で、ひとりの音楽家の命が尽きようとしていた。日本初の合唱曲にして傑作「花」を書いた若き天才、瀧廉太郎。「西洋音楽に負けない「日本の音楽」を創る!」熱い想いを胸に、輝かしい道を切り開かんとしていた彼を、冷酷にも病が襲う。23歳。余りにも早すぎる死を目前として、彼は潔い気持ちになど到底なれなかった。これから生み出せたであろう傑作の数々を思うと無念の涙が止まらなかった。無慈悲な運命の中、彼が最後の力を振り絞り書いた壮絶なるピアノ曲。手書きの譜に記されたタイトルは・・
『憾(うらみ)』
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