第3話 新たな栄光、過去の栄光
「私のターン! ……私は、『災厄邪神ザーガ』を召喚!」
やはり来たか、邪神!
「召喚時能力でカードを一枚引き、手札を一枚捨て、その後墓場に二枚以上
「私の墓場に
「そして墓場から復活させた『災厄邪神ザーガ』の能力でカードを一枚引き、一枚を墓場に送り、再び『災厄邪神ザーガ』を復活させて自身を破壊!」
そうしてザーガループが証明され、
この後は墓場に送ったカードを駆使し、ターン終了時点で墓場に五十枚カードがあればゲームに勝利する「終末の暗夜獣 ジェン・ヴォーダ」を場に出すのがザーガループの勝ち筋となる。
大半のデッキなら成す術もなく敗北を受け入れるしかないだろう。
――だが、その手は俺のデッキには通用しない!
「手札から
「その後、場に出した
「俺が場に出すのは、『地獄の糸に縋る者』! こいつは登場時に自身の攻撃力を1000上げることが出来るが、『魂の模造』で場に出た
「そして『魂の模造』によって墓場に送る
そしてこれが、俺のザーガループ打開への最後の一手だ!
「『地獄の糸に縋る者』が墓場に送られたことで、自分・相手の墓場にあるカードは全て黄泉(※1)へと送られる! さぁ! 墓場のカードを全て黄泉に置け!」
これでループの元凶もその後の展開用カードもまとめて対処出来る。それに相手は山札を大幅に減らしているから、後は数ターン耐えるだけで
「――
俺が勝利を確信した瞬間、
「体力を1000払うことで、黄泉に置かれた呪い『罪人達の反逆』を回収します!」
『罪人達の反逆』――それは半年前のパックに収録されたカードの一枚であり、体力を半分にするというデメリットがあるにも関わらず得られる効果はターン中黄泉に送られたカードの枚数分だけ
「入れるだけでプレミ(※3)」だの「反逆(笑)」だの、終いには「カス
「更に手札から
「何ぃ!?」
ちょっと待て……! 今の魔法で墓場に
これでさっき回収した呪いを使われたら――!
まずい……何かないか!? 何か……!
この状況を打開する方法は……ダメだ! この
「――
これで「死駄天カンダ」は元の攻撃力200に5100が上乗せされて、攻撃力5300……!
「いきます! 『死駄天カンダ』の攻撃! ――
この一撃で俺の体力は半分以下……。
そして、この攻撃は一回じゃ終わらない――!
「そしてもう一度、『死駄天カンダ』の攻撃! ――
この瞬間、俺の体力を現す液晶メーターが空になる。
「決まったぁぁぁ!!! 何という事でしょう! 誰も予想していない形での幕切れとなりました! 優勝は――
勝者の名が高らかに告げられ、会場内は今日一番の盛り上がりを見せた。
惜しみなく注がれる歓声。
新たな栄光を手にした者の前では、過去の栄光など無いも同然。
敗者の醜く歪んだ顔など、最早見向きもされなかった。
【注釈】
※以下は本作における各単語の意味を掲載するものです。
(※1)「黄泉」……主に墓場の
(※2)「
(※3)「プレミ」……プレイングミスの略称。カードの効果を誤認したり使用する順番を間違えたりした時、
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