第49話 第4章 その9
バアアアン!!
ライフルから放たれた弾薬はドラゴンを口の中に突き破り、体内に入る。
ボオオオオオンン!!という轟音と共に
「 グギャオオオオオオオオオンンン!!!」と目の前の龍は叫び声を上げた。
その理由は単純。
キャプテンボマーの薬液が塗られた弾薬はドラゴンに入り、爆発したからだ。
その爆発は身体に穴をあけ、血を流し、ドラゴンに苦痛の叫びをもたらした。
「賭けに勝ったぜ!キャプテン!」
口からドバドバと血を溢れさせ、周囲に少し肉を飛び散らせた。その痛みは産まれて初めてなのだろう。
ドラゴンは激しく暴れ、悶えていた。
「キサマ!何をした?いや……やれ!キラーアサシンズ!!」
ベルナーは驚き、暴れるドラゴンから離れ、声を荒げる。
やはり、こいつは戦いの経験、勘が鋭い。戦況を見てすぐさま味方に合図をした。
その声と同時に俺は座っていた椅子から横に倒れ、一回転し、後ろを見る。
そして、先ほど座っていたイスの所に気味の悪い細身のバケモノが4体出現していた。
やはり、俺の死角に味方を配置していたか、しかし、それは俺の想定内!
戦力に余裕があるなら、敵の死角に味方を配置するのは定石!
間髪入れずに俺はバケモノたちの頭にヘッドショットを決める。
すぐさま、キャプテンの能力が込められた銃弾は爆破し、やつらの頭を吹き飛ばした。
「き、貴様……何者だ……」
「貴様に名乗る価値はねえよ」
俺はすぐさまライフルに銃弾を装填する。
チラリとドラゴンを見るとまだ生きていた。
あの巨体では爆発の威力が足りず、脳まで傷つける事が出来なかったようだ。でもあの出血量。あと数発打ち込めば出血多量で致死量だ!
ドラゴンに向けて1回引き金を引く。大きく銃声が響き、死の魔弾はドラゴンに向けて放たれた。
これで……
キン!!
「ん?」
もしかして跳弾した?
跳弾した銃弾は部屋を駆け巡り、ヘビメイドに当たった。
腹部には純白のメイド服からジワジワと赤い鮮血がシミを作り広がっていった。
「なにこれ……血が……」
「あー、すまない……」
「痛い……が……そんな事より……」
ヘビのメイドは怒りの形相に変わり、醜く歪む。
「よくもベルナー様にいだだいたお召し物を!!キサマもマレクのように調理してや……」
ドゴーン!!ビチャビチャビチャ!!
その声と共に蛇メイドは1匹破裂し、肉片が飛び散り、メイド服は燃えて消え、この世を去った。
蛇の下半身がうねうねと動いているが、時機に止まり動かなくなった。
さすがにここから再生したりとかしないよね。
「やっちまった……な」
「グギャアアアアアアアアア!」
痛みから立ち直ったであろうドラゴンが地面が響くほどの鳴き声で叫ぶ。
その声から怒りと憎しみを感じた。
油断していたであろうベルナーの表情から笑顔は消えていた。
残り5発、やれるか?いや、ここは……
「ゴオオオオ!」
ドラゴンは俊敏に動き、その強靭で大きく、鋭い爪を俺に勢いよく振り下ろした。
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