第45話 第4章 その5
「アミューズです」
「オードブルです」
「ポワソン」
次々と運ばれてくる料理、それらはどれも細かい材料が何か分からないが高級だとわかるものだった。
実に味がいい。野菜は歯ごたえからわかるほど鮮度が良く。肉も癖がない。香辛料もきつくない。盛り付けも華やかで手間がかかっている事が素人目でもわかった。
ドアを開かれた瞬間、とてつもない良い香りがする。
肉の匂いだ。しかも、かなり食欲を引き立てられそうな強く良い物。
「メインです。じゅるり……」
蛇メイドはよだれを垂らしながら運んできた。
それはいままで運んできたようにキャリーではなく大きなカートで運んできている。
そして、中身は大きな布で隠されていた。サプライズとかだろうか。権力を持つ人のやることはわからん……
「凄くおおきいですね」
俺は相手の目を見ながら呟く。。
布がはがされると、そこには大きくまるまると太ったイノシシがあった。その大きさは尋常ではない約3メートルはある。
匂いの正体はこれか……
って、あっ……あれ基地でみんなが食べてたやつだ……やっぱり、異世界の生き物だったんだな。アレ……
「なかなか立派だろう。あれは私の領地で放牧している魔猪だ。なかなか貴重で繁殖もしにくい。客人には出すにはいいだろう。好きに切って食べていい」
ドラゴンの方をみると鼻をヒクヒクとさせている。
わかるぞ。その気持ち。
ヤバイ……めちゃくちゃ旨そうだ。俺の仲間がこれ食ってた事バレたら怒られるかな……
放牧してるやつを勝手に食ったんだろうし……
そういえばルイス君、俺に脳みそ食わそうとしてたしな。あれ断って、他の所食べたいとか言えなかったし、
バラ肉の旨いところとか食わせてくれないかな……
「特に脳みそが旨いんだ。ここの部位を食べると天にも昇る気持ちになる。おっドランゴ、君の分もきたよ。はは、私は遠慮するよ。好きではないからね」
蛇メイドは肉が山盛りになった皿を持ってきた。
イノシシと比べると小さいが50cmほどの塊肉が何個もあった。
こんな重そうなものも車輪があるとはいえ、女が運ぶとは、あの蛇メイド普通じゃない。
いや、もしかしてあの蛇メイドの種族は女の方が力が強いのか?
「バクッ!ブチュバクッ!」
ドラゴンはその肉の塊に顔を突っ込み食べ始めた。
匂いがこちらまで匂ってくる。良く焼けたいい肉の匂いだ。
「ひとつ聞いていいですか?」
「ん?」
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