第34話 第3章 その11
「なんだよ……なんなんだよコイツら!」
マレクが叫ぶ、騎士団の鎧は王族直属の兵隊ということもあり、それなりの資金が使われた一品であった。
質の良い鉄鉱石で腕の良い鍛冶師に作らせ、硬質化と軽量化の魔法がかけられた武具、
それが紙のように潰れ、まるで害虫を処理するかのように殺され、スナックのように齧り食われてしまっている。
部隊は隊列を見出し、混乱し、得も言われぬ恐怖により兵士たちが逃げ出していく。
「ち、畜生!なんなんだよお前ら!」
騎士団の誰かがその恐怖を乗り越えるよつに叫ぶ。
「みんなのヒーロー。キャプテンボマーだ」
「ぐうおおおおおおおおおお!」
ルイスは咆哮を放ち、アピールする。
「かっこいいぜぇ!ルイス!いいねえ!」
そういうとルイスは気をよくしたのか近場にいた騎士団の一人を掴み、ぞうきんのようにねじ切って、体液を絞り殺した。
そしてそのまま内臓を啜る。
「うわあああああああ!」
その圧倒的な力の差に誰かが大きな声で叫んだ。2人に気づいてもらうために。
「こっちを見ろ!お前ら!こいつがどうなってもいいのか!」
その声でその場の全員がその声の方を見た。
そこにはアリアにしがみつき短剣を突き付けている兵士がいた。
「お前!何している?そいつはベルナー様の元まで送り届けなければならないのだぞ!」
「うるさああああいいい。だまれえええええ!この無能王子!こんなバケモノを相手にするとか聞いてねえ!このままじゃあ全滅する!俺は死にたくねえ!
そこのお前ら!こいつがどうなってもいいのか」
その声にキャプテンとルイスは手を止める。
「キャ……」
ルイスが声を出す前にキャプテンは手で制止する。
「たしかに俺はその小娘に恩がある。だから、殺されたらいい気はしねえ。だから、その手を放せ。な……」
その言葉に兵士はにやつく。
その時、雷鳴が響き渡る。
その正体はライフル弾。時速1000kmで放たれた鉛の弾丸はアリアをかすめながら兵士の頭を吹き飛ばし、ザクロのように散っていった。
「伏兵だー!」
兵士の誰かが叫ぶ。
「いらねえ真似を……まあ助かったぜ……」
キャプテンが軽く敬礼した先には、デカイ乳をむにゅりと潰しながら大型ライフルを構えた美少女がいた。
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