第10話 第1章 その3
心のなかで『はあ?』と呟いたが凶悪犯みたいな怖い兵士にそんな事は言えなかった。
褐色の肌にマッチョな筋肉チャラ男。にやりと笑った口から見える白い歯……そして、こんなに怖い顔したやつは部隊でも限られている。名前はたしかウェズリー・フェニックスだ。
「A地区はジョン・ファーロング!アビリティネーム。『メタル・ターミネーター』その鋼鉄の殺戮者は超人的な身体能力に!
正確な射撃能力!肉体の超精密コントロール!銃弾をものともしない鋼の肉体!だが、その中身は儚い危険な香りがするカッコいい少年兵!
その甘いフェイスから想像もつかない激しい戦闘スタイルにショタコンお姉さま方が集団投票してオッズは1,2倍!
B地区はわれらがドクターのペット!デスワーム君!超巨大空飛ぶイモムシは地上に触手を垂らし、触れた肉を襲い暴飲暴食!その光景はモンスターパニック!
でも早食い大会は苦手だろうとオッズは高めな1,7倍!C地区は……」
その時、突如として目の前のチャラ男はこめかみ付近で手を握った。
「あらら~イドリス君は真面目で困るぜ……まあ、ドクター。さっきの話は冗談で、交代交代で休息しながらこいつらと戦ってるんだ……
まあ、イドリス一人で殲滅できるし、弾が切れるまで俺たちは飯食って休息してる感じ……」
そう言いながらチャラ男が手のひらを開けると銃弾が握られていた。
「ってか相棒!俺の頭に銃弾打ち込んでるんじゃねえよ!!って、交代の時間か……じゃあなドクター……」
「わあ、待ってくださいよぉ~ウェズリー先輩ー!」「イャッフー!」
そういって彼らはイドリスの元に歩いていった。
このチャラ男……銃弾を素手でキャッチしおったわ……ってか、あそこのカッコイイお兄さん。仲間に声掛けの代わりに銃弾を撃ちおったわ……
……
いかん、この場はヤバイ逃げよう……
こいつら、命の価値観が軽すぎる。少しでも弾道がズレていたら俺の頭が吹き飛んでいったぞ。
「……じゃあ、みんな。俺は他のところの様子を見てくる。ミシェア、いくぞ……」
俺はイカレタ彼らから離れるように後ろにむいた。
「あいあいさー♡ところでー君!」
ミシェアは賭け事をしていた他の兵士にメスガキボイスで話しかけていた
「アタシが参加したらオッズはいくらぐらいかなー♡?こんなプリチーな私があんなキッショイやつらに囲まれちゃったら貞操のピーンチ!
ってな感じですごいオッズになったりしない?」
「何を冗談いって……」
「ってドクター行くのはやーい♡はやいのは女の子に嫌われるぞー♡」
振り返るとミシェアは可愛らしく駆け寄ってきた。
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