第7話 プロローグ その7

ショタガキ博士の迫力で気を取られていたが、男が1人、凛々しく博士の隣に立っている。


 うわっ、めっちゃイケメンだ……しかも高身長……


 髪もしっかり整えられておりまさにできる人物という印象があった。でもどことなく、恋人や人妻を寝取ってきそうな雰囲気があった。

 なんだこいつエッチなゲームの竿役がこぞってエッチなゲームに出てくる新妻のような存在であるアレクシアさんに群がっている……

 NTRか?いや……別に付き合ってもいないし、恋愛は自由だ……だが……

 まるでその光景はエッチなゲームのパッケージのようだ。


「なんぢょもいわせるなあああああ!きゃわいいボクチンには綺麗なおねいしゃん!がお似合いなんじゃよおおお!


 このチャラ男ルートは論外!ショタおねルートが王道なんだよお!友達を呼びまくっておねいしゃんと仲良くするんだよお!はやくしないと怒るよお!じゃないと殺すよぉ!」


 イカレてやがる……

 普通、王道は純粋ショタとムチムチお姉さんのおねショタルートに決まってるだろう……

 こいつは敵だ。

 生かしちゃおけねえ。


「あのっ」


 と声をかけようとした瞬間、地響きと爆発音が聞こえる。ぱらぱらと頭に小石がぶつかる感触があった。


「地震?!」


 と思った瞬間、アレクシアさんは俺に多いかぶさり、押し倒される。


「私が守りますので、早く頭を私の下に!」


 と焦る声を出しながら、しがみつかれる。彼女の震える身体が俺を包み込んでいる。すぐそこに心臓の音が聞こえ、早くなっていっているのがわかった。

 


「ゆんやあ!!よ。予定より早いんじゃよよよおおお。チャ・ラオ!電話、電話をよこちぇぇぇえ!」


「はい!ただいま」


「もちもち?オヤビン?ボクチンがいるのになんじぇ爆撃しちぇるの?えっ?予定が早まった?もう遅い?ボクチンの下半身が失われるのは


この世界の女性の損失だよお!」


「ショタガキ博士何か知っているのか!?」


 声を出した瞬間、上で揺れていた照明器具が落ちてきそうになり、とっさにアレクシアさんを押し倒し返し、頭上に大きな衝撃が走る。


「い、意識が……」




 暖かい彼女に包まれながら薄れゆく意識の中、声が聞こえる。


「空間転移装置をだせぇ!ここから逃げるんじゃよおおおおお!」


「ショタガキ様!揺らさないでください。こちらの機械は設定が……」


「うわあああああああああドクターぁ!あなたって人はどうして!私をかばって……こんなものでは私はもう傷つかないというのに」


 アレクシアさんのかすかに泣く声が聞こえる……できれば押し倒したことは俺が死んでもセクハラ裁判で訴えないで……

 あっ、でもあったかい……

 彼女がぎゅっと抱きしめてくれていた。

 まるでママの中にいるみたい……


 そして、その言葉を口にできないまま意識が無くなった。

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