第2章 降りつもる時間は僕らの未来の形(2-1)

 砂時計の砂がすべて落ちると君は上下を回転させる。

 再び砂が落ち始め、また新たな時が刻まれていく。

 過去の砂が未来を形作る。

 その形は二人の未来の姿だよね。

 なのに静かに君は首を振る。

 思い出がいくら降りつもってもそれは未来にはつながらない。

 過ぎ去りし時のかけらを見ているだけ。

 小さな穴から落ちる砂。

 それは終わりの始まりの姿。

 二人に未来があるとするならば今は……。

 ただそのかけらの一つにすぎないんだね。

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