第12話

 ふぅ…………。


 時間はとても掛かりましたよ。ええ。




 まぁ、配置しきった訳ではないけど。

 サチとも相談したけど、人が道具を作ったり、服や家を作るようになるのは、物凄い時間がかかる、と。

 生まれた時から家があるのが当たり前で、スマホやコンビニがあって、直ぐに何でも手に入るって、凄い恵まれてたんだと改めて思わされたね。


 しかし、何万年なんて単位見てられないし、遊びながらちょこちょこ手入れしますかね。


 言葉を使うようになるまでは、会ったところで交流なんて無理だよね。

 人か魔物かってどう認識するんだろうか?人同士でも畑荒らされれば敵だよね。

 こっちは人間として作ったけど、自分が人間だ!って意識が芽生えるのは、いつなんだろうか?

 十人、二十人っていきなり配置して揉めないかな?その人達の性格と運次第か…。



 管理者って立場で言う事じゃないけど、生きるって大変だな…ま、現代日本ですら不平不満言うのは沢山居た訳で、どんな世界、どの時代でも文句は出るわな………。



 神に祈ってもさ……人の声なんてそもそも聴く必要ないよね。自分がまず聞きたくないもの……「恩を仇で返す」まさしくあのクソ女の事だけど、不幸な目に遭わせたのは周りの人間であって、神じゃないもんね。邪神って存在がいれば別として。


 管理者……か。どんな存在かなぁ。

 日本に居た頃、お店に入れば従業員が居て、その人がバイトか正社員か平社員か社長かなんて知らないし、どんな立場であれちゃんとしてよっては思いつつ、所詮バイトか、なんて思いもしたっけ…。

 神自体「この世は遊び場」なんて言ってのける存在だけど、それと同等に見られるってどうなの?

 だからといって、他人の為に自分を犠牲にはしないよ、嫌な目に遭ったからこそ他の人にも幸せになって欲しいけど。




 とりあえず、温暖な気候、水源の近く、洞窟の近く、割と簡単に倒せる魔物、主食になる米/麦/とうもろこし/芋/豆、を近くに群生させて、と。

 魔物と主食になる物は、被らない様にして、独自の食文化が生まれると良いね。何時になるか分からんけど楽しみだ。

 後は人数か…申し訳無いけど、実験あるのみ……出来るだけ生き残って頂戴。

 10/20/30/40/50人をそれぞれかなり遠い所に配置、次に半数ずつを、歩いて一日位の近くに配置っと。十ヶ所で実験開始ですよー。



 ラック星へようこそ。





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